十六話 アパートにキラキラ姉御が、紫のストールをまとってやって来た
東京西部は川のある町、築40年弱の日当りの悪い部屋にである。
私がゴールデンタイムに、いつものネットサーフィンをしていたとき。
海でのモテモテサーファーと違って、独身男大好きマル秘ネット遊びを。
ちょうど、その時、佳境を迎えている最中であった。寸前に邪魔が入る。
トントン、トン・・・・トントントン・・・・
私 「はいっ、どちら様で、何か・・・・」
姉御「すみません、こんな時間に、あのー、藤原てるてるさんですよね」
「いつもブログ拝見しています、小説読みましたわ、一気にファンに」
「それで、今度は私の事も書いて頂きたくて、突然やって来ました」
私 「いきなりですな、いくら私のファンでも、時間が時間でしょう」
「明日にしませんか、今日はもう遅い。イチャイチャ時間ですぞ」
姉御「私の方は、それで結構です。夫には内緒で名古屋から来たのです」
「明日の昼前までには帰らないとなのです、でないとバレるので」
私 「あなた、お子さんは? 旦那さんとうまくいってられると、お見受け」
姉御「ええ、夫とは週末デートを楽しんでいます。子供はまだですけど」
私 「あなたは、何かされているのですか? その前に、どうしてここが」
姉御「藤原さんのやっている、姉ブログと妹ブログ、全部読みましたわ」
「住所や職業に繋がるのがありました。それと本名がわかるのもあった」
「めずらしい本名ね。表札出てるからわかった。ああ、私は元スタイリスト」
「今は、ブログで集客をやっています。あなた、私に良く訪問、知ってるわ」
私 「そんなにファンなのですか、ではファン一号になります。うれしい」
「ささっ、立ち話もなんです、汚い所ですが、どうぞ、中へ・・・・」
昔流に言えば、据え膳食わぬは男の恥である。ご馳走を前にして何とする。
私は食べ放題に目がない。一番好きなのはステーキである。めったにないが。
この女の方は、着痩せしているのであろうか、実はモチモチかも知れん。好物か。
私 「では、旦那さんには、くれぐれもバレない様に出来ますかな、うまくね」
姉御「大丈夫、ええ大丈夫、私の愛ある毒舌で巻く。一回位はわからないわ」
「ねえ、私、あなたと? どう? 気に入ったのなら好きにして、いいのよ」
「あなたのものになりたい。私との波長の繋がりを感じます。会いたかった」
私 「うん、心持ちは良くわかりました。でも、旦那さんに悪くて、ちと、どうか」
「やはり、よした方がと。こうしましょう、私は台所で寝ますので、いいです」
「この布団で、お一人でどうぞ、イカ臭さもありますが、独身ゆえです、さあ」
姉御「そうですか、残念ですわ、ではこうします。このイカ布団だけで満足と」
私 「ええ、そうしてください、夢の中でガチンコしましょう、もう、寝ます」
姉御「わかったわ、思いっ切りね。待ってるわ、おやすみなさい・・・・」
翌朝、彼女は綺麗なまま名古屋へと帰って行った。一時の間違いをするではなく。
あの方はそれでいい。旦那さんが大好きなのが良くわかった。綺麗でいてください。
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