十四話 キラキラ熟女と、深夜の無料セミナー 前編
私が、その女性の事を知ったのはブログを通してであった。
そのアメアメブログでは、起業家の女性達が凌ぎを削って集客をしていた。
あの手この手で、顔出しあり、上半身あり、またはキャミソールやベアトップでと。
オカズ動画もあり、セミナーの生徒さん募集でそれは熱心にされている。
そんなキラキラ熟女の中に、私のチャックを壊しそうな方がおられる。
どうしても会いに行きたい。下心は伏せて、この愛のセミナーに参加へと。
場所は都内某所、深夜2時過ぎ、私だけの秘密のセミナーだった・・・・
私 「どうも、お久しぶりです。本物のキラキラ熟女に会いに来ました」
コーチ「今っ、お久しぶりって言いましたね、前にお会いしましたか?」
私 「いや、初めてですよ、いいじゃないですか、動画でお世話になってます」
コーチ「ああ、もう動画を見てくださっているのですか、では早いですね」
「ご期待にこたえてお会いしたのは、それも無料でしたのには訳が」
私 「ええ、わかっています。ブログ動画の中で、元夫がと何回も言ってられる」
「男欲しさと察しています、でも、どうしてまた、この私に・・・・」
コーチ「この仕事を長くやっていると、人の心がわかりますの。特に、男の方の」
「あなたは、女に飢えているだけではないわね、もっと強く求めている何か」
「それは何かを、教えてもらいたくて、私の元に引き寄せられて来たのよ」
私 「いやいや、フェロモンにです。あの事で頭が一杯です。ただの熟女好き」
コーチ「ふふっ、いいのよ、すべて叶えてあげるわ。ねえ、ちょっと休まない」
このお見通し熟女コーチは、やたら甘過ぎるコーヒーを出してくれた。
なかに何やら入っているのかも知れない、もしや媚薬では、まあ全部飲んだ・・・・
コーチ「あれよ、愛の意識に目覚めてください。純粋なエネルギーが循環してゆく」
「自分が本当に大切にしている価値観。あなた、何かを表現したがってる」
私 「まあ、小説を書きたいとは思ってます。この世を包んでいる別の世の事を」
コーチ「いいですか、創造性を発揮する事が出来る、感じるものを自由に表現して」
「あなたの使命が必ずあります。軽やかに生きていきましょう。応援するわ」
私 「ええ、その身を持って応援のほど、よろしくお願いします。身を持って」
コーチ「わかってる。夜のセミナーは始まったばかりよ、ねえ、私の事も書いてね」
私 「喜んで。この左手の人差し指に真珠の指輪がありますが、はずして、ほっ」
コーチ「私がそんなに欲しいのね。わかったわ。あなたに会える時だけそうする」
「ねえ来て、こちらへ、なでてあげる。甘美な愛をあげるわ、こっちへ」
私 「何でも言うこと聞きます。素晴らしい世界へ導いてください・・・・」
朝、今度は普通のコーヒーを飲ませて頂きました。甘過ぎなかったです。
次回は小説を書き上げたら、また会ってくれるとのこと。大急ぎで取りかかろう。
私は帰りしなに言った。「また、あのコーヒー飲みに来ます」と。彼女は媚態した。
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