第8話

 我に返って腕時計を見ると一〇分ほど経っているばかりだった。中久保カツミはゆっくりと立ち上がってから窓から外を見渡した。空を見た。青い秋の空には雲がちらほらとちぎれていて、いかにも空らしい風景になっていた。

「恋ねえ」

 一言呟くと昨日からの一連が思い出されて仕方ない。それを集約するとすれば、

「恋ってのは奇妙奇天烈なもんかなぁ」

 なんてことが考えを経ずにぽろりと口から出た。それを耳にして中久保カツミは、何かに諭されたような表情になってからスマホを取り出した。

 それから一人に連絡をした。

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文芸部中久保カツミ 金子ふみよ @fmy-knk_03_21

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