11-4

昼少し前の札幌上空。


S.A.「もしかして、東京じゃないとこに飛んできたんじゃ…」


丼「どこか分からないでありんす」


灰かぶり「もうすぐ落ちます…」


S.A.「えっ?!」


丼「落ちてるでありんす」


ヒュ~~…。


ドーン!


丼は、背中から落ちた。


丼「痛いでありんす」


S.A.と灰かぶりは丼の腹の上で無事。


灰かぶり「また、落ちてきます」


S.A.「えっ?!」


ドーン


S.A.が、丼の腹から降りた直後、丼の上にこおろぎとRが降ってきた。


丼「苦しいでありんす」


こおろぎ「すみません」


R「でR」


S.A.「ところで、ここはどこなのよ?」


ガーン!


時計台の鐘が、正午を告げる。


急いでその音の方へ駆け出すS.A.。後を追う4匹。


S.A.、大きな通りに並ぶ有名な時計台を発見。


S.A.「もしかして、札幌?…???」


灰かぶり「札幌って、どこですか?」


丼「そうでありんすね…」


場所がよく分かってない4匹。


そこへ、かなり遅れて雀が飛んできた。


雀「お前ら、こんなとこにおったんか。かなり探したんでぇ…」


S.A.「東京に帰るんじゃなかったの?」


雀「しゃあないやろ!ワイのせいやない。まさか東京湾にグルがいるなんて思うわけないやろ」


S.A.「グルって誰?」


雀「一度、でっかい船に落ちそうになったやろ。その時、丼がケツ叩かれてまた飛ばされたやろ。そのケツ叩いた奴がグルや」


S.A.「あの時が、東京だったの?」


灰かぶり「あの、すみません。グルってどんな方なんですか?」


雀「だから、言うとるやろ…」


こおろぎ「ここは私が…」


こおろぎが雀を遮って説明し出した。


こおろぎ「グルとは、大阪で私達を飛ばしたアルのライバルで、例のゴルフ大会で負けた事を根に持って、アルの友達である私達をも敵視している、ちょっとイカれた鷲であります」


S.A.「じゃあ、何?私達は、あのアルっていうひとの、とばっちりで、ここまで飛ばされたっていうの?」


雀「そういうこっちゃ」


S.A.「そういう…ってね。アンタ…」


怒りに震えて声の出ないS.A.。


丼「まぁまぁ、せっかく札幌まで来たんでありんすから、ここでも何か美味しい物を…」


S.A.「お前は食い物の事しか頭にないんか!」


S.A.は思い切り丼の頭をはたいた。


バシッ


丼「痛い!でありんす」




第12話に続く

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