8-5

近衛兵「何という事を…(一瞬、押し黙った後)、姫様!」と叫びながら、丼の飛んで行った方へ走り出した。


雀「お前、ちゃんと飛んでった場所は分かっとんやろな?」


アル「あぁ、お前の好きな街の辺りに飛んだはずや」


雀「ホンマか?」


アル「これでも、ドラコンチャンプ何やで。そんなに距離が違うとこに飛ばすかいな」


雀「分かったわ、ほな」


アル「あぁ、また困った事があったらいつでも言うて来いよ!ほな」と言うと、バタバタと飛び上がり、彼らの上空を2、3回旋回して、「アホー」と叫んで、どこかへ飛んで行った。


雀「ほな、わしらも後を追うぞ!」


こおろぎ「後を、って言われましても、どうやって…?」


R「しかも、我々には雀のような羽は無いのでR」


雀「しもた。忘れとった!おーい、アル!戻って来ーい!!」


バタバタ…(アルが、戻って来た)。


アル「何や?まだ何かあったんか?」


雀「こいつらも頼む。こいつらに羽無いのすっかり忘れとったわ」


アル「喜んで!(と言い終わらぬうちに二人の尻を次々と打ち、Rとこおろぎも、どこかへ飛んで行った)」


アル「これでええか?」


雀「すまん。何度も手間取らせて…。今度はホンマにお別れや」


アル「ほな」


雀「ほな」


雀は、丼達の飛んで行った西の方へ、アルは東の方へ飛んで行った。


第9話へ続く

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