6-2

朝日がゆっくりと上り、雀(スズメ)が鳴きだしている。


S.A.は、朝の気配を感じて起きた。


S.A.「あ~よく寝た。今日こそは変なのに邪魔されずに一日を過ごしたいものだわ」


S.A.の隣の一軒家の屋根で丼も目を覚ます。


丼「ふわぁ~!よく寝たでありんす」


丼、屋根からドシーンと飛び降りる。


丼「雀さんは、昨日はどこで寝たでありんすか?」


雀「わいは、この電線で眠らしてもろうたがな。ところで、こおろぎはどうした?」


丼「夕べ、明日は朝早くからS.A.さん家に一番近い祠を探すって言ってたでありんす」


雀「ほぅー、そうか。そいで、今日はどないするつもりや?」


丼「S.A.さんに付いて行くでありんす」


雀「今日もこっそり付いて行くとすっか!」


着替えも済ませ、準備万端のS.A.。ドアを開け、外を覗く。


S.A.「今日こそアイツらを振り切ってやるんだから…」と言いながら外へ出る。


そ~っとドアを閉め、鍵を掛けるS.A.。


S.A.「それ~っ」と言うが早いか、ものすごい勢いで走りだす。


丼「あ~っ、待ってでありんす~」


雀「何モタモタしてんねん。先、行くぞ!」


丼「あ~っ……でありんす」


商店街を急いで走り抜けて駅へと向かうS.A.。


そこへ、突然大きなドアが現れる。気付かず走り続けてドアにぶつかるS.A.。


ガツーン!


S.A.「痛~い!何よ」


思わず見上げて叫んだ。


S.A.「何で、こんなとこにドアがあるのよ!あ痛たたた…」と言いながらおでこをさする。


雀「おー、こいつは…」


S.A.「雀!あんた何かこのドアについて知ってんの?」


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