5-2
丼、雀「やっぱり!……信長秀吉家康!!」
S.A.「信長秀吉家康?」
雀「そや、こいつの体には三つの首がついとんのや」
丼「そしてその一つが、あちきの飼い主の知り合いの信長さんでありんす」
S.A.「じゃあ、もしかして残りの首は…」
信長秀吉家康の秀吉の首「秀吉と」
信長秀吉家康の家康の首「家康だ!」
雀「こいつら、いつもメインの首の座を争ってるんや」
S.A.「何それ?」
雀「しかも、例のホトトギスの歌でな」
S.A.「『鳴かぬなら…』ってやつ?」
丼「そうでありんす」
信長の首「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」
秀吉の首「鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス」
家康の首「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
S.A.「ホトトギスをダシに使うなんて最低ね。ホトトギスだって、あんた達から早く自由になりたいって思ってるわよ。きっと…」
こおろぎ「私もそう思いました。こういう句はどうでしょう?」
コホン!
と咳払いを一つして、こおろぎは言った。
こおろぎ「鳴かぬなら放っておこうホトトギス」
S.A.「じゃあ、私も」
コホン!
同じように咳払いをして、言った。
S.A.「鳴かぬなら逃がしてあげよホトトギス」
丼「いいでありんすね」
S.A.「逃がしてあげたら……」
雀「まっ、俺はどっちでもええけどな」
S.A.「あんた、仲間なんでしょ。もっと親身になってあげても……」
雀「ところで、どれがメインになるか決まったんか?」
S.A.「あんた、話はちゃんと聞きなさいよ!」
信長秀吉家康「うーん…」
信長の首「俺だ!」
秀吉の首「俺だ!」
家康の首「俺だ!」
三つの首が、喧嘩を始める。
S.A.「いっそ、ホトトギスをあんた達のメインの首とかにすればいいんじゃないの?!」
丼「そうでありんすね」
こお「私も名案だと思います」
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