3-3

丼、雀がすごすごと出てくる。


丼「わかってたんでありんすか?」


雀「そやから、言ったやろ。見つかってんちゃうかと。」


S.A.は、両手を腰に当てながら言った。


S.A.「あんたたち、さっさと帰んなさいよ!……」


丼、S.A.を悲しそうに見つめ、目で訴える。


S.A.は、肩をすくめて言った。


S.A.:「……と言ったって、あんたたちが素直に帰るわけないか…。」


雀:「当ったり前や!決まっとるやろ!!」


丼:「ありがとうでありんす。」


S.A.:「しっかし、……どうすんのよ。あんたらみたいの連れてたら、ゆっくり買い物もできないじゃない。」


そんな事お構いなしの様子の丼と雀。


丼:「何か、街に来るとウキウキするでありんす。」


雀:「そやなぁ…。これで祭りでもあったら、なおええのになぁ。」


S.A.「あいつら、勝手なこと言ってる。」


とS.A.は呟いた。


丼「あっ、神社でありんす。」


雀「おおーっ」


S.A.の背よりも低い位置に小さな鳥居らしきものが見える。


S.A.「神社ってねぇ……こんな小さな鳥居……神社なわけないじゃない。」


S.A.「……って何なのかよく知らないんだけど……。」


と呟いた。


S.A.が横を向いて呟いていた時、鳥居の奥の祠(ほこら)の扉が開き始める。


丼、雀:「あっ!」


S.A.:「今度は何よ。」


と言って二人(二匹?)の方に向き直る。


S.A.、丼と雀の指差す方を見る。


S.A.:「何っ?何が起こるの?」


祠が完全に開き、中から煙のような物が立ち上る。


やがて、奥から黒い影が現れる。


S.A.:「今度は何なのよー……。」


と心の中で大声で叫ぶ。


丼、雀:「!」


第4話に続く



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