2-3

丼は、懐からネコの手2本が、爪でレンズを掴んでいるような形の懐中電灯のようなものを取り出した。


丼「ネコまんまライト!…でありんす」


雀は、丼からそれを奪うと、茶碗と床に置かれた米に向けてその光を当てた。


茶碗は大きな丼になり、茶碗の中と床の米粒も大きくなる。


丼「では、いただくでありんす」


雀「俺ももらうで!」


丼は、一口食べて言った。


丼「うーん、やっぱり日本(やまと)のお米は最高でありんす」


雀も食べながら言った。


雀「そやなぁー……うめぇ!」


S.A. 「食べたら、さっさと出て行ってよね。今日はこれから出かけるんだから…」


丼、雀「えーっ!?」


丼「ついて行きたいでありんす」


雀「俺も行く、行く」


S.A. 「ついて来ないでよ!……あんたらについて来られたら…(私が変に思われる)」


S.A.は、ぼそっと呟いた。


S.A. 「……とにかく帰ってよ!」と言いながら、丼と雀をドアの外へ追い出す。


バタン


丼は、悲しそうに言った。


丼「締め出されたでありんす」


雀「こっそりついて行こうや」


丼「そうで、ありんす」


丼は、大きくうなづいた。



S.A. は、時計を見た。(2時間以上経ってる。)そして、ドアをゆっくり開け、辺りを見回した。


S.A. 「誰も、いないわよねぇ……」


辺りには誰も見当たらない。


S.A. 「よしっ!」と言ってドアに鍵をかけて歩き出した。


その様子をこっそりと物陰から見ている丼と雀。


丼「ついていくでありんす!」


雀「俺は上からつける」


辺りに丼の足音と雀の羽音がする。(ドシン、ドシン…、バサバサバサ…)




第3話に続く



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