俺に依存してる美少女に「もう俺に関わらないでくれ」と伝えた結果

ういうい

第1話

「おい、リオナ近いって」

「えへへー」

リオナは可愛い。ハーフで金髪、顔はそこら辺のモデルよりも整ってて美人だ。だから大勢の人の目を引く。周りの目が痛い。

「まじで、やめろ」

そう言うと嫌だと言わんばかりに抱きしめる力が強くなる

いつきが悪いんだよー?今朝だって勝手に一人で登校するしlineだって全然返してくれないじゃん」

彼女に抱き着かれて恥ずかしながらも照れている彼氏。最近彼氏が冷たくて可愛く拗ねている彼女。周りからしたらそんな風に思われているかもしれない

でも実際は付き合ってないし、俺はリオナとの関係を良くないとまで思っている

そしてその日の放課後。俺はリオナに言った

「もう俺に関わらないでくれ」


次の日、朝起きるとスマホに大量の通知が入っていた

それはすべてリオナからで

21:30 リオナ:今日はごめんね?一回話したいな

21:31 リオナ:不在着信

21:40リオナ:樹に迷惑かけちゃってごめん

それからもリオナのメッセージは続いていた

.

.

.

.

.

.

5:10 リオナ:無視しないで

5:10 リオナ:ごめんなさいごめんなさい

5:10 リオナ:ねえ、返事して

5:11 リオナ:本当にごめんなさい。許してください 

最後の方はただ悲痛で、見てるこっちまでつらくなってくる。こうなることは分かってはいたが、実際こうなると自分の判断が正しかったのか不安になってくる。でも仕方ないのだと心に言い聞かせながら俺はそっとスマホを閉じた


「山田おはよー」

朝、自分の席に座っていると俺より少し遅れて登校してきた中学からの同級生、結衣沢ゆいざわが声を掛けてきた

「おはよ」

「山田聞いてよー昨日さ練習中に突き指しちゃった!」

自分の負傷した人差し指を俺に見せつけるようにして向けてくる

朝からなんてもの見せるんだ

「うわ、ぐろい」

「いや、女子に対してグロいはないでしょ。てか包帯巻いてるじゃん!」

「ごめんごめん。痛そうだなーって思ったらつい」

それから少しして結衣沢は何かに気づいたのか首を傾げて

「あれ?そういえばリオナちゃんまだ来てなくない?」

そう言われた瞬間、胸がチクリと痛んだ

「……ほんとだ」

「いつもなら山田のとこに来てイチャコラしてる時間なのにねー」

「イチャコラ言うな」

「でももうホームルーム始まるし、山田に連絡来てないの?」

来てたと言えば来てた。でもそれを結衣沢に話したところで何も変わらない

「来てないな」

「リオナちゃんにしては珍しいねー」

その日リオナは学校に来なかった

リオナside

私は樹の事が好きで好きで、比べちゃだめなんだろうけどパパやママよりも愛してる

そんな樹に今日「もう関わらないでくれ」と言われた。その言葉の意味が分からないほど私は子供ではない

私は樹に嫌われた

今思えば私はやりすぎたのかもしれない。休み時間、移動教室、登下校、私はいつも樹に付きまとっていた。果てには今日みたいに抱き着いたりして。樹は優しいから今までずっと我慢してたのかもしれない。そして今日こんなことになってしまった。

私はバカだ。自分の好きを樹に勝手に押し付けて、嫌われて、ようやく気付いたんだもん

それから私は決心してLINEを開いて樹にメッセージを送った。電話も掛けた。いち早く謝って樹に許してもらおうと思ったから。でも樹から返信が来ることは無かった。

もしかしたらもうブロックされちゃったのかもしれない。そう考えるたび涙で画面が見えなくなるほどびしょびしょになった。


気付いたら朝だった。どれだけのメッセージを送ったんだろうか。自分でもよくわかんない。でも自分の心がどんどん病んで行ってるのだけは分かった。これからどうすればいいのだろう。樹が居ない生活なんて辛くて想像できない。

ねえ樹、なんでもするから許してよ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺に依存してる美少女に「もう俺に関わらないでくれ」と伝えた結果 ういうい @uiuiouou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ