第4話 目覚めたら
2日後、私は目覚めた。病院だった。
周りには誰もいなかった。
ナースコールを押した。
ナースは、「すぐ行きますね~」と言った。
しばらくするとナースと医者が一緒に来た。
「嶋村 朋美さんですね。気分はどうですか? 」
「はい。大丈夫です。」
「事故にあわれたことは覚えていますか? 」
「・・・はい。バイクが滑ってきて・・・正人さんに直撃しました。・・・それであの、正人さんは今どこに・・・」
「亡くなられたことは・・・」
「・・・はい・・・わかっています。それを聞いて私は倒れたのですよね。」
「はい。嶋村さんは丸二日意識がありませんでした。達さんは、昨日御家族が遺体を引き取りにいらっしゃいました。嶋村さんが目を覚まされたら渡してほしいと達さんのお父様からメモをお預かりしています。」
私はメモを受け取った。正人さんの葬式の詳細だった。
「嶋村さんは念のため脳のCTも取りましたが問題はありませんでした。腕のすり傷だけですので、退院していただいて大丈夫ですが、どうされますか? 」
「はい。お世話になりました。直ぐに退院いたします。」
私は退院の手続きをして病院を後にした。
何も考えないようにして家に帰った。
部屋に入り椅子に座った。何もせず、何もできず、数時間が経過した。
職場に連絡をしなくてはと思い立ち夕方電話をした。
私だとわかると電話応対をした者は言葉を濁した。職場には病院から連絡が入っていた。
部長にまわしてもらった。
部長は、必死に私のことを慰めてくれた。そして、少し休めと言ってくれた。
その次に正人さんの実家に電話をした。
お父様が電話に出られたので、これから伺いたいと言ったら、お母様が取り乱しているので明日でいいと断られてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます