AIの語る秋葉原

けろよん

第1話

 オタクの町『秋葉原』。

 その駅に、ひとりの少女が降り立った。


「ここがアキバですか」


 彼女の名前は西園寺玲華。

 今年で高校二年生になる、正真正銘の女子高生だ。

 そして今日は、彼女にとって初めての東京旅行だった。

 なぜ、彼女がこんなところにいるかというと……

 話は数日前に遡る。


 


  その日、西園寺家のリビングには、いつものメンバーである、西園寺静香、西園寺琴音、西園寺楓花の三人が集まっていた。

 三人とも、玲華にとっては幼なじみであり、親友でもある。


「ねえ、玲華ちゃん」


 三人の中で、一番年上の琴音が口を開いた。


「ん? なに?」

「今度、私たちとアキバに行ってみない?」

「アキバって、あの電気街みたいなところだっけ?」

「うん、そうだよ」

「なんでまた急に……?」

「ほら、来月は玲華ちゃんのお誕生日じゃない?だから、何かプレゼントでもと思ってね」

「それで、どうしてアキバなの?」

「それはもちろん、アキバといえば電気街でしょ?」

「……まあ、確かにそうだけど……」

「それに、アキバにはいろんなものがあるし、きっといいプレゼントが見つかると思うよ」

「なるほど、そういうことか……」

「どう? 行ってみない?」

「うーん、そうね……」


 玲華は少し考えた後、答えた。


「分かったわ、行ってみる!」


 こうして、玲華たちは次の週末、一緒にアキバへ行くことになったのである。




  そうして迎えた土曜日。

 待ち合わせ時間の10分前、待ち合わせ場所のハチ公前に、すでに二人は来ていた。


「あ、きたきた! おーい、こっちだよー!」


 先に二人に気づいた琴音が手を振る。


「おはよう、二人とも早いわね」

「おはようございます、お姉さま」

「ごめんね、待たせちゃったかな?」

「ううん、大丈夫だよ。私たちもついさっき来たところだから」

「そうですか、ならよかったです」

「それにしても、なんだかこうやって三人で出かけるなんて久しぶりよね」

「そうだね、最後にみんなで出かけたのは確か小学生の頃だったから、もうずいぶんと昔だよね」

「あの頃は楽しかったなぁ」


 三人はしみじみと語り合った。


「……さて、それじゃあそろそろ行きましょうか」


 そう言って、琴音は立ち上がった。


「はい、そうですね」

「ええ、そうしましょう」


 それから三人は、電車を乗り継いで新宿へと向かった。

 目的地は、この近くにある家電量販店である。

 目的はもちろん、玲華の誕生日プレゼントを買うためだ。

 だが、その前に彼女たちには、とある場所に立ち寄ってもらうことになっていた。

 その場所とは、有名なメイド喫茶である。

 そこで、ある人物と会う約束をしているのだ。

 その人物とはいったい誰なのか……それは、実際に会ってからのお楽しみということで、ここでは伏せておくことにしよう。

 そんなわけで、三人は目的のお店へとやって来た。

 店内に入ると、そこにはたくさんのメイドさんたちがいた。


「わぁ~、可愛い~」


 琴音は目を輝かせている。


「ふふっ、気に入ってもらえたみたいでよかったよ」

「うん、すごく気に入った!」

「喜んでもらえて何よりだよ」

「あれ? でも、どうしてこんなお店に来たの?」

「実はね、ここで待ち合わせをしている人がいるのよ」

「そうなの?」

「ええ、そうよ」

「ふーん、そうなんだぁ」


 そんな会話をしていると、奥のほうから一人の女性が姿を現した。

 その女性は三人の前まで来ると、丁寧にお辞儀をした。


「はじめまして、西園寺様ですね? 私は桜木といいます。どうぞよろしくお願いいたします」


 彼女は、メイド服に身を包んだ若い女性だった。

 年齢は二十代前半といったところだろうか。

 どうやら、彼女が玲華たちの待ち人らしい。


「こちらこそ、よろしくお願いしますね」

「はい、お任せください」

「ではさっそくですけど、本題に入りましょう」

「分かりました。それで、ご用件というのはなんでしょうか?」

「それは、あなたのご主人様についてお聞きしたいことがあるんです」

「私のご主人さまですか……? 一体どういうことでしょうか?」

「いえ、そのままの意味ですよ。あなたには、ご主人がいるのでしょう?」

「はい、確かに私には主人がいますけど……それがどうかしたのですか?」

「単刀直入に言います。私たちの仲間になってくれませんか?」

「……え?」


 突然のことに、一瞬ポカンとしてしまう桜木。

 しかしすぐに気を取り直し、聞き返す。


「えっと……どういう意味でしょう……?」

「言葉通りの意味です。私たちは、ある目的のために活動しています。そしてそのために、あなたのような優秀な人材が必要なのです」

「私が優秀かどうかは分かりませんが、お断りさせていただきます」


 即答する桜木。


「なぜですか? 理由を聞かせていただけますか?」

「理由も何も、そもそも私はただのメイドですから。お嬢様にお仕えするのが仕事であり、それ以外のことはするつもりはありません」

「そうですか……残念です……」

「申し訳ありません」


 申し訳なさそうに頭を下げる桜木。

 そんな彼女を見て、琴音が言う。


「ねえ、ちょっと待ってくれるかしら?」

「なんでしょう?」

「さっきから黙って聞いていれば、勝手なことを言わないでちょうだい!」


 突然怒り出す琴音。

 これには、他の二人も驚いた様子である。


「ちょっと落ち着いてよ、琴音ちゃん」


 楓花が慌てて宥める。

 すると、今度は玲華が言った。


「私も同意見だわ。勝手に話を進めないでもらえるかしら?」

「そ、そんな……でも、私たちの目的は一致しているはずじゃ……!」


 動揺を隠せない様子の桜木。

 それに対して、玲華は冷たい声で言った。


「いいえ、違うわ。あなたは大きな勘違いをしているみたいね」

「えっ!? どういうことですか!?」

「あなたが思っているほど、私たちは簡単な気持ちで動いているわけじゃないの。私たちがやろうとしていることは決して楽なことではないし、むしろかなり大変なことなのよ。それなのに、そう簡単に首を縦に振るわけないでしょう?」

「ううっ……で、ですが、どうしてもダメなんですか……?」


 涙目になりながら訴える桜木。

 それを見た玲華は、やれやれといった感じで言った。


「はぁ……仕方ないわね。それなら、チャンスをあげる」

「ほ、本当ですかっ!?」

「ええ、本当よ。ただし、一つ条件があるの」

「条件……ですか?」

「ええ、そうよ」

「それで、その条件というのは何ですか?」

「それはね……今から私と勝負して、もし勝てたら考えてあげるわ」

「ええっ!?」


 驚く三人。

 それもそうだろう。まさかこんな展開になるなんて、誰も予想していなかったのだから。


「ちょ、ちょっと待ってください! いくらなんでも、それはやりすぎなんじゃ……」


 さすがに止めに入る琴音。

 だが、玲華はそれを無視して続ける。


「それで、どうするの? やるの? やらないの?」

「うぅ……わかりました、やります!」


 こうして、なぜか急にメイドさんとのバトルが始まったのだった。




  そんなわけで、メイド喫茶を後にした四人は、近くの公園へとやって来た。

 ちなみに、メイド喫茶を出る際、桜木から謝罪されたのだが、玲華たちはそれを断った。

 というのも、これはあくまでも彼女たちの問題なのであって、彼女には関係のないことだからだ。

 そういうわけで、今この場にいるのは、玲華と琴音と楓花の三人だけである。

三人は、少し距離を置いて向かい合っていた。


「さてと、それじゃあ始めましょうか」


 そう言って構えをとる玲華。

 一方の琴音はというと、まだ戸惑っている様子だった。


「本当にいいんですか? 相手はメイドさんなんですよ?」


 心配そうに尋ねる琴音。

 それに対し、玲華は答えた。


「大丈夫よ。私に任せておきなさい」


 自信たっぷりに答える玲華だったが、内心はかなり緊張していた。


(まあ、本音を言うと不安しかないんだけどね)


 それでもなんとか平静を装っていられるのは、これまでの経験のおかげだろう。

 とはいえ、今回は相手が相手だけに油断はできない。

 そうこうしているうちに、桜木の準備が終わったようだ。

 彼女は、静かに佇んでいた。その姿はとても美しく、まるで本物のメイドのようだった。

 そんな彼女に見とれていると、不意に声をかけられた。


「……あの、どうかしましたか?」

「あ、ごめんなさい! なんでもないわ!」


 慌てて返事をする玲華。

 そんな玲華に対し、桜木は言った。


「それでは、ルールを説明しますね。勝敗の決め方は至ってシンプルです。どちらかが降参するか、戦闘不能になるかのどちらかになります。何か質問はありますか?」

「いえ、特にないわ」

「分かりました。それでは、試合開始の合図をお願いします」

「はいはーい!」


 元気よく返事をしたのは楓花だ。どうやら彼女もやる気らしい。


「それじゃあ行くよー? レディファイト!!」


 その言葉と同時に試合が始まった。

 先に動いたのは玲華だった。彼女は一気に距離を詰めると、素早い動きで攻撃を開始した。

 だが、さすがはプロといったところだろうか。彼女は冷静に対処していく。

 その後もしばらくの間攻防が続いていたが、次第に玲華の動きが鈍くなってきた。どうやら、疲れてきたようである。

 それを察した桜木は、反撃に出た。


「ふっ!」


 気合の入った声と共に放たれた拳が、玲華の顔面を狙う。咄嗟に腕を上げてガードしようとする玲華。しかし、桜木の狙いはそこではなかった。彼女は玲華の腕を掴むと、そのまま一本背負いを決めたのだ。

 ドシンッ!! 鈍い音とともに地面に叩きつけられる玲華。衝撃で息が詰まりそうになる。さらに追い討ちをかけるように、桜木は馬乗りになると、マウントポジションを取った状態で殴りかかってきた。このままではまずいと思ったのか、必死に抵抗する玲華だったが、彼女の動きは完全に封じられていた。結局なす術もなく殴られ続けてしまう。

 それからしばらく経った頃だろうか。とうとう限界が訪れたようで、ついに気絶してしまった。それを見てようやく満足したのか、桜木はゆっくりと立ち上がった。そして最後に一言だけ呟くように言った。


「ふぅ……これで終わりですね」


 こうして戦いは終わったのである。




  しばらくして意識を取り戻した玲華が目を覚ますと、そこには心配そうな表情をした琴音の姿があった。


「よかったぁ~目が覚めて」


 そう言って抱きついてくる琴音。どうやら相当心配してくれていたらしい。


「もう大丈夫だよ」


 そう言って頭を撫でると、嬉しそうに微笑んだ。

 そんな二人の様子を少し離れたところから見ていた楓花は、ふとあることに気づいた。

 よく見ると、彼女の顔には殴られたような跡があったのだ。気になったので尋ねてみることにする。


「あのー、もしかして怪我とかしてるんじゃないですか?」


 すると、琴音は答えた。


「ああこれのことですか? 大丈夫ですよ。気にしないでください」


 そう言って笑う彼女の表情はどこか悲しげだった。どうやらあまり触れてほしくないらしい。これ以上詮索するのはやめておくことにした。

 その後、三人は家路についた。時刻はすでに午後8時を過ぎており、辺りはすっかり暗くなっている。そんな中三人は無言のまま歩いていたのだが、ふいに琴音が口を開いた。


「……ねえ、これからどうするんですか?」


 その言葉に反応したのはもちろん玲華である。彼女は答えた。


「そうね……とりあえず今日のところは帰るわ」

「そうですか……」


 残念そうな表情を浮かべる琴音に対して、玲華は優しく声をかける。


「そんな顔しないでちょうだい。別にもう二度と会えないってわけじゃないんだからさ」

「……そうですね! また今度遊びましょう!」

「ええ、もちろんよ!」


 二人は笑顔で約束したのだった。

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