日常の終わり

むーが

最後の日常

 大きな窓から暖かい日差しが入ってくる。白と青の対比が綺麗だ。


 その窓から遠くにある公園で遊んでいる人たちが見えた。


 空に光る点があるけど気にしたって仕方ないから見えない振りをする。


 カレンダーが目に入る。今日は平日だけど休みだからゆっくりできる。


 椅子に座った。昨日買ってきたパンを食べながら今日をどう過ごすか考える。


 このパンはモチモチしててカスタードが美味しいんだよね。だから、よく買ってくるんだよね。


 せっかくの休みだし私はいつものゲームでもしようかな。あっ、でも今日はネットが繋がっていないから出来ない。


 オフラインの携帯型ゲームならできるかな。やってみよう。


 パンを食べ終え、椅子から立ち上がる。携帯型ゲームを取りに行き、椅子に座る。ゲームが作動するか電源を入れてボタンを押して確かめた。


 無事にゲームは立ち上がり普通に動かせるようだ。


 やった! これなら心置きなくゲームがやれる!


 久々にやったゲームは楽しくて時間を忘れて、やっちゃった。


 ふと時計を見る。


 もう昼になったんだ。適当なカップラーメンでも食べよう。

 ゲームをセーブして電源を切って立ち上がる。


 お湯を沸かしカップラーメンにお湯を注ぐ。タイマーをセットして時間までボーッとして待つ。


 タイマーが鳴り時間が過ぎた事を教えてくれた。


 カップラーメンの蓋を全部、取る。


 醤油スープの良い香りがして、ついヨダレが垂れそうになっちゃった。


 手を合わせる。



「いただきます」



 箸を手に取り麺をすする。


 細麺だから喉ごしが良くて、ドンドンすすりたくなるから、あっという間に麺が消えたね。


 箸を置いてカップラーメンを持ちスープを飲む。


 鶏の出汁が効いてて醤油のあっさりした味わいが広がって飽きがこない。


 あっ、もうスープなくなった。


 残りの具も食べてカップラーメンは空になった。


 満腹感があって丁度良い量だったかな。


 ホッと一息ついて手を合わせる。



「ごちそうさまでした」



 さてとゲームの続きをしようかな。


 ゲームの電源を入れてデータを選択して遊び始める。しばらくするとゲームの充電が切れた。


 楽しかったけど電源が切れたなら仕方ないね。


 窓を覗くと今まで以上に光る点が大きくなり、とてつもない程のサイズになっている。


 もうそろそろ終わりかな。最後って、あっけないんだね。


 でも、こうして、ゆっくり最後の一日を楽しめたのは良かったかな。






 二千XX年、五月十四日、午後六時二十六分五十七秒、地球に巨大隕石が激突し人類は全滅した。

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日常の終わり むーが @mu-ga

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