死にたい君の横に立つ
@kitakita1103
前日 きっかけは
解けそうなほど暑いある夏の日のこと、僕は学校の屋上に来ていた。ここからは町が一望できるし、風通りがよく、誰も来ないからとても静かだった。
今日も一人で屋上に向かった。屋上の扉を開けようとした時、違和感に気づいた。南京錠が壊されている。僕は急いで屋上に入る。屋上の安全柵の奥に一人の女性が立っていた。白衣を着た黒い髪がよく似合うひとだった。一歩踏み出してしまえば地面に真っ逆さまだ。僕は思わず声を掛けてしまった。
「あの、、、何してるんですか?」
「ん?何してるって、、、屋上の風景を楽しんでいるのだよ少年」
「はたから見たら飛び降りようとしてる人に見えるけど」
「風景を楽しんでからこの世とおさらばしようかなってね」
この世とおさらば、、、、って飛び降りるってこと!?一瞬頭が真っ白になってしまったが冷静になる。止めないと、、、止めないと、、、止めないと!
「だ、ダメですよ。まだ、これからなのに」
「いや、もう未練もないからね。さっさとニューゲームと行きたい」
「ゲームじゃないんですから、そんなこと言わないでください。飛び降りって意外と痛いんですよ!」
意味のわからないことで死のうとする彼女を必死に止める。
「でもな~やることないしな。あ、君の前じゃなかったらいい感じ?」
「ダメですよ!ニュースとかで見たときに後味悪くなるじゃないですか!?」
「ずいぶん身勝手な理由だなw」
ケラケラと笑う女性。ふと、なにか思い付いたのか僕の方に向き直る。黒メガネに制服がよく似合う 、、、じゃなくて何をするのかな?
「そんなに私の飛び降りを止めたいのかい?」
「・・・うん」
自殺が悪いって思ってるわけではない。だけど、自分の周りの人に理由なくそんな終わり方はしてほしくない。それこそ出会って数分の人間であってもあんな思いしてほしくない。
「ならこうしよう。私は一週間の間に自殺する理由を探す。もしも理由がなくなったら私は自殺するのをやめよう。ただ、自殺する理由が出来たまま一週間が過ぎたら、、、」
「僕は君を見殺しにする」
「どうだい?悪い話ではないでしょ?」
ぼくは考えたあとすぐに答えを出した。いや、考えるまでもなかったな。僕はある決意をして彼女の立った。
「絶対に止める。飛び降りなんてさせない」
「いいね。少年名前は何て言うんだい?」
「
「
こうして死にたい彼女を死なせないようにする一週間が始まった。
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