東堂凛

私、東堂凛。

高校2年の17歳。

学校生活は…全然楽しくないです。



2年前の中学生までは、そこそこ楽しいスクールライフを送ってたのに。



特に、中学3年の時は一番楽しかったんじゃないかな。


受験で大変な時期なのに、友達との関係も、恋も遊びも。

どれも楽しくてキラキラしてたと思う。



中学3年の夏に、彼氏が出来た。


キスをして、


花火大会が終わった夜に、私の守ってきたものを失った。



何かが入っていく感覚が、変だけどどこか心地よくて

今、ひとつになれた気がして

もっと彼を好きになった。



学校で会うときも、こっそりキスをした。

デートするときは、必ずセックスをした。



12月頃になると、いよいよ受験シーズンになった。



私は、誰も知ってる人がいない高校を選んだ。

一度、誰も私のことを知らないところで

力を発揮してみたかったから。


中学では何もかもうまくいっていたから、高校でも、うまくいくと過信していたからだ。



だから、彼氏とは、中学を卒業してからは離ればなれになる。



彼は、獣医を目指すために、私立の高校を選んだ。



そして、無事に二人とも合格した。



卒業式には、ふたりで公園の広場で賞状と花束を手に写真を撮った。



今でも大切に取ってある。



これからは別々の人生が始まるけど、この関係はこれからもずっと続くと思っていた。



けれども、別々の学生生活を選んで恋人を続けるのは思ったより楽ではなかった。



彼は、夕方まで授業で、連絡を取るにも

彼の高校はスマホは持ち出し禁止になっているから

電話で話したいときもタイムレスがあって

いつも連絡が来るのは夜遅くだった。



でも、すごく嬉しかったのを覚えてる。





そんな日々が続いて、私の方も電話をする回数が日に日に減っていった。




高校1年の3月

私たちは別れた。



約1年半の恋人だった。



よく聞く

夏の恋はすぐに終わる

という話。



あながち間違ってなかったのかも。




そして、これから、

私には

これ以上、大切な人が現れることがあるのか…


もうないんだろうな…って思いながら

ボーッと部屋から見える夕日を見ていた。

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