王女と蟲独

「……零。なにしてるの。」


「え、王女様!どうしてこんなところに!?」


路地のほうから女王様がこちらに来ていた。おかしいな。もう家についているころだと思ったんだけど。


「……王女?」


僕から目を離して立ち上がった。なお、僕はそのまま抱かれたままだ。氷翠さんの方が身長が高いからか、僕の足は地面についていない。豊満な胸部に顔を埋めている状態だが、そんなこより王女様のほうが大事だ。


「あなたは氷翠ね。学校の高嶺の花とかよばれている。」


「……そんなのはどうでもいい。あなたは零に付きまとっている虫。」


「付きまとってなんかないわ。零と私は(運命の赤い糸で結ばれた)特別な関係よ。あなたは必要じゃないの。零を放してどっかに行っててくれるかしら。」


王女様が主従関係を特別だなんて。そんなこと、いつも言ってないのに。


「…そう。でも、それがどうしたの?」


「…どういうことよ。」


「特別な関係でも、今は私の者。零は約束してくれた。私とずっといるって。」


そんなこと言ってないはずなんだけど。……もしかして、何でも言うことを聞くのやつを使ったのかな。


「………へぇ。」


「だから、零は私の者。虫は追い払わないとね。」


え、ちょ。王女様には何もしないって……というか僕縛られてる!いつの間に。


「バイバイ。虫。」


「……」


そして、僕の顔に暖かい液体が顔にかかった。



後書き、なんだろう。ラブコメじゃなくなってる気がする。

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