第13話 あまりにも良かった『怪物』


 同名の日本映画がありますが、そちらはまだ見ていなくて、韓国クライムサスペンスの話です。

 以前も書いたのですが、その時は「韓国クライムサスペンスはお約束が安心出来ていい」というようなことを書いてしまったのですが、この作品に関しては評判通り「全く先が読めない作品」でした。

 正確に言えば、結論自体は割と序盤に全登場人物を提示された時に『こうなるんじゃないだろうか?』と予想していたとおりだったのですが、そこに行きつくまでが全く分からないというか、何重にも張られた伏線が一つ一つ回収されていくのがとても心地よかったです。

 ハラハラするかと思えば悲しくて、悪人かと思えば善人で、善人かと思えば悪人で、真っ当な人かと思えば狂っていて、狂っているかと思えば正しくて、普通な人かと思えばどこかが狂っていて、なんだかすごい話を見てしまったな、という気持ちです。(↑見る人によって誰が悪人で誰が善人かという印象を持つかさえもかなり分かれる作品だと思われるので、特にネタバレではありません。皆怪しく見えるので笑)

 

 韓国クライムサスペンスで好きなもう一つの作品は、『ボイス~112の奇跡~』です。自作の『エーリュシオンの最果て』はとある法的な文書から連想して臓器と麻薬、生命の話に繋がるのですが、『ボイス』にも臓器売買と麻薬、宗教団体のエピソードがあります。調べたら2017年放送だったので、随分前だな、と懐かしくなりました。

 好きだと言っておきながら第1シーズンしか見たことがないので、第2からも見たいなと思います(第2シーズンからは主人公の相棒役が変わります。ネットフリックスにあるのは多分シーズン2の俳優さんの方です)


 今一つとある願掛けをしていて、とあるものの結果が出るまで暫く更新やらついったーやらを止めてみようかと思ったのですが、『怪物』があまりに面白すぎて備忘せずにはいられませんでした。

 

 いつかこんなクライムサスペンスを書きたいな、と思ったのですが、そういえばクライムサスペンスドラマや映画などの映像は好きだけどクライムサスペンス漫画や小説は触れたことがないかもしれません。いや、ジャンルについて分かってなさ過ぎて実は読んでいるのに気づいていないいつものパターンかもしれませんが。

 

 『怪物』、本当に最高でした。韓国クライムサスペンス、暴力シーンもあるし、人は死ぬんですけど、そこはメインではなくて、人間関係でこんがらがってそこに各キャラクターの死生観とか、どうしようもなさとか救われなさとかが乗っかってくるのが本当に好きです。

 あとすごくブロマンスでした。凄く。究極の状態で生まれる友情というものがとても好きです。なんの能力もないただの人間が必死でもがいて、生と死の問題に直面しながらその間に友情のようなものが生まれる、その行間がとても好きだなあと思いました。

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