エージェント・レイン、参ります!

中太賢歩

第1話

 「じゃあねー!」

「うん!ばいばーい!」

友達と別れ、少女…五月雨ツユは家に向かって歩く。

「早くご飯食べたいな〜……ん?何これ?」

ツユが見つけたのは、USBメモリだった。

「USBメモリ…?」

其の時、がさりと茂みが動いた。

「!」

ツユはバッ、と後ろを振り返る。

居たのは、野良猫だった。野良猫はツユを一瞥し走り去った。

「な〜んだ、猫ちゃんか〜…」

刹那、ドンッと背後から大きな音が聞こえた。

「え!?」

ツユは振り返り、驚いた。

何故ならば、遥かに大きな男二人が、ツユと変わらぬ背丈の男子に倒されていたからだ。

「貴方…誰?」

すると、ツユに気付いた男子はゆっくりと口を開いた。

「アキだ」

「アキ…?何者なの…?」

恐る恐るツユはアキに問うた。

「国を守る仕事の人間だ。其れより…」

す、とアキは懐から何かを取り出した。

「五月雨ツユ。お前を、本部迄連行する」

「……はい?」

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