【大幅改訂版】いやたい水着

佐伯達男

第1話

時は2021年9月8日の夕方5時過ぎのことであった。


場所は、松山市保免中まつやまほうめんなかの国道56号線沿いにあるユニクロの店内にて…


アタシ・茂西しげにしさおり(46歳・パート従業員)は、陳列棚に商品を補充する作業をしていた。


夕方5時30分アップの時間が近づいたので、アタシはソワソワしていた。


そんな時であった。


30代くらいの女性店員がウキウキした表情でアタシのもとにやって来た。


女性店員は、ウキウキした表情でアタシに言うた。


「さおりさん、さおりさん。」


アタシは、つらそうな表情で女性店員に言うた。


「なによぅ…アタシは急いでいるのよ。」


女性店員は、ウキウキした声でアタシに言うた。


「今夜、さおりさんも一緒に行きますか?」

「(つらそうな表情で)だから、どこへなにしに行くのよぉ~」

「今夜は、みんなでごはんを食べに行くのですよ。」


女性店員から急に言われたアタシは、ムッとした表情で言い返した。


「そんな話は聞いてないわよ!!」


女性店員は、生ぬるい声でアタシに言い返した。


「さおりさん、どうして参加しないのですか?」

「アタシは、仕事が終わったら子供たち3人を迎えに(一時預かりの児童保育)施設へ行くのよ!!」


女性店員は、ますますつらそうな表情でアタシに言い返した。


「え〜、困ります~」

「うちは、ダンナと子供たち3人がいるのよ!!一時預かりの施設で親の帰りを待っている子どもたちの身になって考えたことがあるの!?」

「(オキラクな声で)うちは…家が恵まれていたから…わかんない…」

「自慢げに言われん!!」

「さおりさん、さおりさんはダンナさまの親きょうだいたちと同居しているよね。」

「してるわよ…だけど、義父は家族みんながそろって朝夕のごはん食べることを楽しみにしているのよ…アタシとダンナと子供たち3人がいないとごはんおいしくないと言うてるのよ!!」

「だから行かないのですね…さおりさんは冷たい人ですね。」


女性店員が言うた言葉を聞いたアタシは、カチンと頭に来た。


「あんたね!!ケンキョと言う字を辞書ひいて調べなさい!!」


アタシに怒られた女性店員は、しおらしい声で『すみませんでした…』とわびた。


アタシは、あつかましい声で女性店員に言うた。


「アタシはね!!温和な環境でなに不自由なく育った人間はものすごく頭に来るのよ!!とくにあんた!!」

「すみませんでした…」

「あんたが卒業したコーコーは、オジョーサマガッコーよね!!」

「そうです…」

「だからあんたはムカつくのよ!!」

「すみませんでした…」

「それよりも、今夜はどんな理由でごはん食べに行くのよ!?」


アタシの問いに対して、女性店員は『失恋した仲間をなぐさめるため…』と答えた。


アタシは、ものすごく怒った声で言うた。


「あんたはいつまで学生気分でいるのよ!?失恋した仲間をなぐさめるためにみんなでごはん食べに行くなんてふざけてるわよ!!」


女性店員は、ますますつらそうな表情でアタシに言うた。


「マヤちゃん…10日前にフラれたのよ。」

「だれにフラれたのよ!?」

「だから、愛結び(愛媛県のお見合い事業)でお見合いをした銀行員の男性にフラれたのよ…」

「なさけないわね!!マヤちゃんは甘えているわよ!!」

「だけど、マヤちゃんは銀行員の男性が好きだったのよ…結婚まであと一歩のところでフラれたのよ…」

「ますますはぐいたらしいわね!!それでマヤちゃんはずっと休んでいたのね!!なさけないわね!!」

「さおりさん…」

「アタシは、やる気のない人間はものすごくいらつくのよ!!とくにマヤちゃんはそうよ!!」


女性店員は、ますますつらそうな表情でアタシに言うた。


「さおりさん、今日はどうしてもさおりさんきてほしいからお願いしているのよ!!」

「ますますはぐいたらしいわね!!ハイリョと言う字を辞書ひいて調べなさい!!」

「すみませんでした…」

「アタシは、やる気のないマヤちゃんはものすごくいらつくのよ!!それよりもあんたは大学にいた時なんしよったん(なにをしていたのよ)!!実家から大金しおくりをたくさんいただいた上に、ゴーセーなマンション住まいをしていた!!…卒業後のシューショク先は実家の人に決めてもらった!!…その先で大失敗したのですぐにやめた!!…それでテンショクした回数を数えたことがあるの!?」

「さおりさん、お願いですから…イヤ!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


思い切りブチ切れたアタシは、女性店員の顔をよりし烈な力を込めて50回以上たたいた。


叩かれた女性店員は、メソメソメソメソ泣きまくった。


だけど、アタシは女性店員をようしゃなく殴りつけた。


そして、両手で突き飛ばして倒した末に女性店員が着ていたパンツとエアリズムのヒップハンガーショーツを脱がした。


女性店員は、ビービービービービービービービービービービービービービー泣きまくった。


アタシは、プンとした表情で仕事を続けた。


ああああああああああ!!頭に来るわね!!


職場うち独身チョンガーは、学生気分がゼンゼン抜けてないわね!!


あいつらの卒業したコーコーの担任センコーがクソバカだから、あいつらがクソバカなのよ!!


甘えるな!!


夕方5時半過であった。


仕事を終えたアタシは、従業員口から外へ出ようとした。


しかし、イベントを企画した女性店員(32歳くらいの未婚)に出口をふさがれた。


女性店員は、アタシにどうしても参加してほしいとせがんだ。


1年前にマヤちゃん(フラれた女性店員さんのこと)がここへ入った時、アタシが1から仕事を教えた…


マヤちゃんが数人のバイト店員からいじめを受けた時、アタシが助けた…


マヤちゃんがアタシを頼っている…


アタシの顔を見れば、マヤちゃんが元気になれる…


企画した女性店員からそのように言われたアタシは、仕方なくイベントに参加することにした。


アタシは、3人の子どもたちを預けている一時預かりの施設に電話をかけて、あと6時間ほど延長してくださいと頼んだ。


時は、夕方6時40分頃であった。


ところ変わって、伊予市灘町ぐんちゅうなだまちにある特大サイズの和風建築の家にて…


家は、25人家族が暮らせる規模の大きな家である。


家に住んでいる家族は、アタシの夫・紀世彦きよひこ(50歳・銀行員)の親きょうだいたちが暮らしている。


夫(紀世彦は以後夫と表記)とアタシとアタシの連れ子・なおと(中2)とふみこ(小3)とまりよ(4歳)の1世帯と夫の両親・はじめとかなえ(70代後半)と紀世彦の3人の弟の妻・あやみ(39歳・次男の嫁)と玲香(33歳・三男の嫁)と里香(32歳・四男の嫁)とシングルの五男・すぐる(31歳・工場従業員)の合計12人の大家族である。


次男・三男・四男は出稼ぎで遠方へ行ってるので、家に不在であった。


(次男・三男・四男は、3人とも農業従事者である)


場所は、20畳の大広間にて…


テーブルの上には、あやみが作った晩ごはんが並んでいる。


テーブルの前に、義父母とかなえとあやみと玲香と里香とすぐるの6人がいた。


アタシと3人の子どもたちは、食卓ここにいなかった。


この時、ダークグレーのスーツ姿の夫がものすごく激怒した様子で帰宅した。


夫は、30分ほど前に帰宅したが、その時にあやみから『あと30分ほど待って…』と言われたあと家から追いだされた。


その後、あやみは夫に対して電話をして『帰ってきてもいいよ…』とやさしい声で言うた。


しかし、夫はあやみにグロウされたと激怒した。


だから夫は、あやみのこめかみをよりし烈な怒りを込めてグーで殴りつけた。


それが原因で、大ゲンカが発生した。


義母は、泣き叫ぶ声で夫に言うた。


「紀世彦!!なんであやみさんを殴るのよ!?」


夫は、し烈な声で義母を怒鳴りつけた。


「あやみに落ち度があったから殴りつけた!!30分ほど待ってと言うてオレを追いだしたあとオドレらなんしよったんぞ!?」


端で聞いていた義父は、つらそうな表情で夫に言うた。


「なんでそんなにおらぶんぞ…あやみさんは、味付けがまだできていないからもう少し待ってと言うたんぞ…」


(ガツーン!!)


ブチ切れた夫は、ジュラルミンケースで義父の顔を正面から殴りつけた。


「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」


義母は、泣きそうな声で夫に言うた。


「紀世彦!!なんでおとーさんを殴るのよ!?」

「やかましいだまれ!!オドレら!!ぶっ殺してやる!!ワーッ!!」


(ガシャーン!!)


夫は、あやみが作った晩ごはんをテーブルごとひっくり返した。


テーブルの上に置かれていた食器がいきおいよく壊れた。


その後、夫はワケの分からない言葉をさけびながらかたい棒で義父を殴りつけた。


義母とあやみと玲香と里香とすぐるは、夫がこわいのでその場にうずくまって震えていた。


その中で、すぐるは『兄さんごめんなさい…』とくりかえして泣きながら言うた。


またところ変わって、松山市二番町しないにばんちょうの一方通行路(西堀端・市役所方面へ向かう方)の通りにある牛角(焼き肉屋)にて…


家で大規模な暴動が発生した頃であった。


バイト仲間に無理やり連れ出されたアタシは、焼き肉屋で晩ごはんを食べていた。


アタシは、ソワソワした表情で腕時計を見ていた。


それなのに、バイト仲間たちはマヤちゃんが元気になるようにと思ってアレコレいらないことをしていた。


だから、マヤちゃんはますます悲しい表情を浮かべた。


バイト仲間たちは、マヤちゃんにやさしく声をかけた。


『マヤちゃん、元気になってよ…』

『マヤちゃんのつらい気持ちはよくわかるよ…』

『マヤちゃんは、ひとりじゃないよ…』

『ぼくたちがいるじゃないか…』

『マヤちゃんをほっとけない男は、まだたくさんいるよ。』

『元気になったら、また一緒にバイトしようよ…』

『ぼくたちがいるから大丈夫だよ。』


しかし、マヤちゃんの耳にかれらの言葉は届かなかった。


そのせいで、マヤちゃんが大泣きした。


かれらは、ものすごく弱った表情を浮かべた。


困った…


マヤちゃんは、ぼくたちにどうしてほしいんだよ…


ぼくたちは、マヤちゃんが元気になれるように一生懸命に尽くしているんだよ…


この時、男性従業員のひとりが別の男性従業員に対して物で殴りつけた。


「コラ!!」

「なにすんだよ!!」

「コラといよんのが聞こえんのか!?」

「なんでオレを殴るのだよぉ…」

「オドレはさっきマヤちゃんになに言うたんぞ!?」

「オレは、マヤちゃんに新しい恋人ができたらいいねと言うたんや…」

「ふざけるな!!オドレのせいでマヤちゃんが泣き出したと言うことに気がつけよボケ野郎!!」


(ガツーン!!)


男性従業員は、もうひとりの男性従業員の左腕をし烈な力を込めてグーで殴りつけた。


「なにするんだよ!!」


殴られた男性従業員は、殴った男性従業員の左腕をし烈な力を込めてグーで殴り返した。


「よくもオレを殴りつけたな!!」

「ふざけんなよクソ野郎!!」

「オドレやるんか!?」

「ふざけんなよクソボケ野郎!!オドレはマヤちゃんにいらないことをしたからぶっ殺してやる!!」

「ふざけんなよ!!オドレいつからマヤちゃんのカレになったんぞ!?」

「だまれクソボケ!!」

「ちょっとやめてよ!!」


この時、イベントの立案者の女性店員が大ゲンカをしている男性店員たちを止めたあと『ケンカしないでよ!!』と言うた。


「きょうは、マヤちゃんが元気になるためにみんなでおいしいお酒をのんでいるのよ!!」


女性店員が言うた言葉を聞いた男性店員たちは、思い切りブチ切れた。


「オドレは入ってくるな!!」

「ふざけるなよ!!」

「なんでそんなに怒るのよ!?」

「オレはこのあと予定があったんだぞ!!」

「オレも予定があったんや!!」

「なんでオレたちを足止めしたのだ!?」

「だからごめんなさいと言ってるでしょ!!」

「ナマイキなんだよ!!」


(パチーン!!)


男性店員の一人が女性店員の顔を平手打ちで叩いた。


「いたい!!なんで叩くのよ!?」

「はぐいたらしいんだよ!!」

「マヤちゃんが元気になってほしい気持ちが強すぎたことに気がつけよバカ!!」

「そう言うオドレはなんや!!厄年が怖いから結婚しないのか!?」

「そんなことカンケーないわよ!!」

「ふざけるな!!」


(ドカッ!!)


「イヤ!!」


思い切りブチ切れた男性店員たちは、イベントの立案者の女性店員を倒したあと一斉に押さえつけた。


「やめて!!なにするのよ!!」

「オドレはナマイキだからやっつけてやる!!」

「イヤ!!」


(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)


思い切りブチ切れた男性店員たちは、イベントの立案者の女性店員の衣服をズタズタに破いたあとよりし烈な怒りを込めて犯しまくった。


その上に、男性従業員7~8人がよりし烈な怒りを込めてマヤちゃんを犯しまくった。


アタシは、するどい目つきで彼らをにらみつけたあと店から出た。


女性従業員たち8人は、男性従業員たちがこわいので震えまくった。


それから20分後であった。


付近を巡回中の松山東警察署ひがししょの刑事たち30人が店内に突入した。


男性従業員たちは、刑事たちに取り押さえられたあと警察署へ連行された。


女性従業員たちは、ケーサツに保護されたあと警察署の生活安全課で家族が迎えに来るまで待機となった。


男性従業員さんたちから集団レイプの被害を受けたマヤちゃんと女性店員さんは、市内にある救急病院にはこばれたあと手当を受けた。


事件が発生した時、店内にいた客はかれらだけであった。


さて、そのころであった。


店から逃げ出たアタシは、JR松山駅の近くにある女性専用のカプセルホテルで夜を明かした。


翌朝5時過ぎに、アタシはホテルから出た。


JR松山駅から始発の伊予市行きの電車に乗った。


JR伊予市駅で電車を降りたアタシアは、3人の子どもたち待っている一時預かりの児童施設へ向かった。


3人の子どもたちを引き取ったあと、なおととふみこをそれぞれの学校へ送り届けた。


なおととふみこを学校へ送り届けたあと、アタシはまりよを連れて家へ向かった。


アタシとまりよが帰宅した時であった。


家庭内で深刻なもめ事が発生した。


時は、朝7時5分頃だったと思う。


ところ変わって、特大サイズの家にて…


家の台所で、あやみが料理をしていた。


あやみは、朝ごはんを作る前に近所の家のふたりのお子さん(高2の男の子と中2の女の子)のお弁当を作っていた。


近所の家は、共稼ぎの世帯であった。


この時、中2の長女ちゃんのお弁当ができあがった。


あやみは、高2の長男くんのお弁当を作らずに家族が食べる朝ごはんを作り始めた。


それから3分後であった。


黒のレディーススーツ姿の奥さまが勝手口から入ってきた。


「あやみさん。」

「ああ、はまぐりさんの奥さま。」

「お弁当はできました?」

「できてますよ…」


あやみは、奥さまにできあがったお弁当箱を渡した。


お弁当箱を受け取った奥さまは、ものすごく不安な表情であやみに言うた。


「あやみさん…ちょっとあやみさん。」

「はい?」

「タカヤ(長男)のお弁当は?」

「えっ?」

「(長女)のお弁当は作ったのに、タカヤのは作らないの?」


あやみは、ものすごく言いにくい声で奥さまに言うた。


「ああ、作るわよぉ~」

「早く作ってよ!!」

「作ります…だけどその前に、ちょっと気になることがあるので…」

「あのね!!10時から大事な会議があるのよ!!」

「作ります!!だけどその前に少しだけでいいからうちの話しを聞いてください!!」


そこへ、白のシャツと黒のズボン姿のタカヤがやって来た。


タカヤの顔の左のほほに深さ5センチ程度の引っかき傷があった。


それを見た奥さまは、ひどくおたついた表情でタカヤに言うた。


端で聞いていたタカヤが思い切りブチ切れた。


「お弁当なんかいらねーよ!!」

「タカヤ!!」

「ふざけるな!!茂西しげにしの家が作ったクソまずい弁当なんかいらねーよ!!」

「わがまま言われん!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


思い切りブチ切れた奥さまは、よりし烈な怒りを込めながらタカヤの顔を平手打ちで叩いた。


その後、よりし烈な声でタカヤをボロクソに怒鳴りつけた。


「ふざけるなハヤベンコゾウ!!」


奥さまは、よりし烈な力を込めてタカヤをボコボコに殴りつけた。


そこへ、義母が台所へやって来た。


「ちょっと!!はまぐりさん方の奥さま!!朝からギャーギャーおらばないでよ!!」


奥さまは、義母に対して怒った声で言うた。


「オシュウトメさん!!あやみさんがタカヤのお弁当を作ってほしいと頼んでいるのに作ってくれないから困っているのよ!!」

「それははまぐりさんのダンナが全部悪いのよ!!子どもたちをないがしろにして仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事…と言うて逃げ回っている!!…だからせがれがハヤベン魔になったのよ!!」

「なんでうちの主人の悪口を言うのですか!?」

「あんたのダンナが卒業したコーコーの担任センコウがバカだからダンナがバカになったのよ!!あんたのせがれがいるコーコーの担任センコウは元ボーソーゾクだったからせがれが悪になったのよ!!」

「キーッ!!なんてことを言うのよ!!」

「ンマー、なんなのかしらあんたは!!そういうあんたも悪いところがあることに気がつきなさいよ!!」


義母と奥さまの双方がバリゾーゴンのオウシュウを繰り広げた。


あやみは、その場に座り込んで震えまくった。


ちょうどその頃であった。


アタシとまりよが帰宅した。


この時であった。


制服姿のタカヤが奥さまに引っ張り出されたところを目撃した。


「ふざけるなハヤベン小僧!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


ひどく怒り狂った奥さまは、よりし烈な怒りを込めながらタカヤの顔を平手打ちで叩いた。


「あんたの担任せんせいが悪い人間だからあんたはハヤベン小僧になったのよ!!(妹)は成績優秀なのに、あんたはなんで悪い点ばかりを取るのよ!!ナマケモノ!!役立たず!!蛤家はまぐりの恥さらし!!」


奥さまがきわめて危険な状態におちいったので、アタシはまりよを連れて避難した。


(ザザーン、ザザーン、ザザーン…)


ところ変わって、五色姫海浜公園のビーチにて…


アタシとまりよは、ぼんやりとした表情で荒れ狂う海を見つめていた。


まりよは、つらそうな声でアタシに言うた。


「ママ…ママ…」

「まりよ。」

「ママ…アタシ…イヤ…茂西のおうちなんかイヤ!!…もとのおうちに帰りたい…」

「ごめんね…もとのおうちは流されたのよ…」

「イヤ、茂西のおうちは大キライ!!」

「ごめんね…ごめんね…新しいおうち作るおカネがないのよ…」

「なんでないの?」


アタシは、つらそうな声でまりよに言うた。


「ごめんね…ママ…がんばって貯金作るから…貯金作って、お兄ちゃんとお姉ちゃんとまりよが心から安心できる家を買うから…それまでは…ガマンしてね…」


アタシは、ものすごくつらそうな表情で海をながめながらつぶやいた。


なおと・ふみこ・まりよ…


ごめんね…


帰るおうちは…


3年前の(西日本)豪雨で流されたのよ…


わかって…と言うてるのにわかってくれない…


ママ…


つらい…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る