まじめな学級委員長と不真面目な俺の恋愛物語

田中かなた

第1話 プロローグ


今日から俺は新たな学園生活。

実際中学卒業したら家に引き篭もりたかったが母はそれを許さず携帯を没収し挙句の果てに試験で落ちたら携帯ゲーム全て売ると脅され不承不承乍らも試験勉強を毎日5時間はしていた。

そこで何とかギリギリ受かり携帯ゲームは返ってきた。

だが母は留年や退学、停学をすればゲームや携帯は売ると言い俺は気が抜けぬまま毎日を過ごすのも御免蒙りたい為反論すると母はブチ切れ携帯ゲームを理不尽に強奪し1ヶ月は返さないと言った。ムカッと来たが次反論すれば何をされるか分からない為取り敢えずは放っておく。



「洞爺もうそろそろで起きなさいよぉ!入学式に遅れたら朝飯昼飯夜飯抜きよ!」


母が1階から俺に起きるよう指示する。これは1回で行かなければ殴られる為間髪入れず下へおり朝食を終え制服に着替え支度を終える。

入学式は午前9時から始まるそうで学校に到着せねばいかぬ時間は8時20分。今は7時5分ぐらいだからそろそろ行かないといけねぇな。

俺は靴に履き替えドアノブを握り捻る。

学校に行くというのはなんと言うか億劫だな。

となんだかんだと思いながらも学校に到着し門に居る二人の先生が挨拶をするが俺はシカトし門を潜るすると門に居た先生二人が挨拶をしろと怒鳴るが再度シカトすると先生二人はしかめっ面をするがケッと言い諦めたようだ。

学校はかなり騒然としており中には大発狂をする輩も居た。恐らく親友や友人と同じクラスになれたのが嬉しく歓喜し発狂しているのだろうな。

俺は友人と高校が違う為まだこの学校では友人等は居らずぼっちである。入学式でふざけりゃあ大概は陽キャになれんだろうから巫山戯てみるか。とそんな世迷言を考えていると不意に話し掛けれた。

誰だ?と思っていると小学校の頃の担任であった鈴村陽夏と言う先生だった。


「久しぶりだね、洞爺君!」

「おん、そだなあ」

「何でそんなにテンションが低いのよ!何年ぶりだと思ってるの!もお」


陽夏先生は不貞腐れたかのように顔をフグのように膨らませ俯いている。

それに俺は少々呆れ陽夏先生をシカトしクラスを確認する。

どうやらクラスは6組まであるらしく俺はその中の3組に名前が書いてあった。先生の名前は鬼塚剛と明らかに生徒指導と言った感じの名前で俺は少々気持ちが沈む。


「ちょっと!置いてかないでよ!」

「あーもううっせぇな」


俺が苛立たしげに言うと先生はそんなに怒らないで先生泣いちゃうよと言ってきた為再度無視をし踵を返す。

流石に陽夏先生も付いては来ず入学式楽しみにしてるよ!と言い違う場所へ踵を返す。

俺は何処に行けば良いか分からず右顧左眄していると不意に後ろから肩をトントンとされ後ろを振り返る、するとそこには見覚えのない女性がそこに立っていた。

見た目は容姿端麗であり身長は150cm程度と小柄な見た目であった。髪は煌びやかな銀髪、髪はポニーテールの誰もが憧れるような絵に描いたような美しさであった。


「ねぇ?大丈夫?何処に行けば良いか迷ってるでしょ?」

「んあ?あーまあ迷ってるが」

「だと思った。」


俺に話しかけてきた女は笑い混じりにそのように言った。


「今行く場所は自分のクラスね。君何組?」

「3組」

「一緒ね。なら付いてきて私も今から行くところだしね。あ、そう言えば名前聞いてなかったわね、君名前は?」

「ん、志々目 洞爺ししめ とうや…」

「洞爺君ね、私は麻美 舞あさみ まい宜しく。」


握手を求められたが俺は初めから馴れ馴れしくするのは好きじゃない為握手を拒む、すると少々しかめっ面をしてきたが俺は無視し麻美舞に付いて行く。

クラスはかなり騒がしくクラスの陽キャらしき輩は机に座りタバコ吸いてぇだのイキっている始末それに俺はそれに少々滑稽に感じていた。


「ちょっとあんた!机は座る物じゃないでしょ?今すぐ降りなさい。」

「ケッ、うっせぇな、てめぇに指図される権利なんてありましぇん」


クラスのイキリ陽キャは舌を出し挑発するように言った。

だが麻美舞は至極冷静に挑発し返していた。


「確かにあたしが指示する権利は無いと思うわだけど机は座る所じゃないの勉強する所なのそこに座る貴方はかなりのお馬鹿さんのようね。そんな戯言を言っている暇があるなら小学校の頃の復習でもしていたら良いんじゃないかしら。」

「んだとコラァ」


相手は逆上し麻美舞の胸ぐらを掴む。

それに対しさらに煽るかのように麻美舞は言った。


「女の子の胸ぐら掴むとか相当の弱者のようね、貴方今自分がどれだけ滑稽な姿晒してるか分かってんの?」

「こんにゃろぉ!」


イキリ陽キャは麻美舞に殴り掛かったそれに俺は間髪入れず陽キャの拳を手で受け止め掴む。

イキリ陽キャは肩が小刻みに震えていた。

俺の容姿は昔からいかついと母に言われており髪は赤く目は右が赤左が青のオッドアイであり目付きが悪く身長は180は超えていると言った感じで昔からあまり話し掛けられる事は無かった。


「うぐ!」


俺が軽く力を入れるとイキリ陽キャはかなり痛がっている様子である。


「お前イキってる割には案外弱いんだな。」

「くおお」

「もう良いわ、ありがと。」


俺は手を離すとイキリ陽キャは此方を睨め付けてくるがすぐさまクラスから疾走し何処かへ行く。



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