甘ったるいお前には塩分が必要だ
御霊
母親のような彼女
突然だが俺には幼馴染がいる。同い年の女の子が。
幼稚園からの付き合いがある、そんな彼女は・・・
「ほら、口に食べかすがあるよ?取ってあげるね」
「これ君好きでしょ?いっぱいあるから食べてね!」
「部屋がすごく汚れているね、掃除するからちょっとまっててね!」
すごい甘やかしてくる、それも引くほどにも。俺はそんなに子供っぽいのか?そのことを彼女に聞いてみると・・・
「子供っぽくてとってもかわいいよ!」
なんて言われてしまった・・・男は可愛いよりもかっこいいって言われたほうが嬉しいのだが、彼女はそんなこと知らないだろう。
俺を甘やかしてくる彼女のことが俺は好きなんだが....彼女は俺のことは近所にいる元気な子供くらいにしか思っていないのだろう、それでも彼女を諦めることができずにいる。ある日のことだった。
「ねえねえ!今日お買い物に行かない?お菓子買ってあげるからさ〜」
彼女は子を買い物に誘うような母親みたいに言ってきた。
「お菓子はいらないがいいよ付き合うよ」
少し準備してデパートに向かう。手を繋いで。
「・・・・なんで手を繋いでるんだ?」
「なんでってそれは・・・迷子にならないため?」
「俺は子供じゃねえわ」
「でも、君いつも迷子になるでしょ?」
「うっ・・・!それはそうだが・・・」
「私、君が迷子になって知らない人についていかないか心配で・・・」
「お前・・・俺がそんなに子供に見えるのか・・・?少しショックなんだが・・・」
そんなことを言い争っているうちにデパートに着く、ここらでは一番大きいと俺は思っている。デパートには多くの家族連れやカップルなんかも見かけた。・・・リア充は爆発しろ・・・おっと、失礼。
「今日は何を買うんだ?」
「私は洋服を見に行くけど?どうする?着いてくる?」
「そこらへんぶらぶらしてるよ、お前の買い物は長いからな」
「ぶらぶらしててもいいけど知らない人に付いて行っちゃだめだよ?わかった?」
「はいはい、わかってますよ〜」
俺は彼女と別れて本屋に向かっている。今日は新刊の発売日だったからウキウキしていた。
「お、あった」
「大丈夫?お金足りる?私だそうか?」
「ちゃんと持ってきたから大丈夫・・・ってなんでここにいるんだよ!?」
「やっぱり心配になってきちゃって・・・」
彼女はほんとに母親みたいだ。子に甘すぎる母親タイプの。服見るのもはばかるくらいに俺のことが心配なのだろうか・・・
「本当に大丈夫だから服見てこいよ」
「私の服見てくれない?やっぱり男の子の感想とか欲しいからさ〜」
「俺服には疎いけど?」
「大丈夫!ただ『これがいい!』って言ってくれるだけでいいから〜」
「本当は?」
「君の服も見たいのとただ単に心配だから」
彼女に恋愛させるのは難しいのかもしれない・・・
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