異世界転生したボクが女躯様に肉い血ートスKILLを漏ラって夢想した腱

早起き三文

第1話「異世界転生」


「ようこそ、この世界へ」


 はい?


「わたくしは、女神です」

「……あっ!?」


 あっ、少し解ってきた。


「も、もしかして……?」


 ああ、そうか、僕は。


「はい、貴方はこの世界に、転生されました」

「な、なるほど!?」


 トラックに、牽かれたんだったな。


「……でも、あれ?」


 その女神の姿は、どこかで見た記憶が。


――ザァ……――


 ある気がする。


――……ザァ、ザ――


 あるはずも、ない。


「では、貴方に新たなる力を与えようと、思います」

「あっ、はい!!」


 ああ、お決まりのあれか。


「よ、よし!!」


 ステータス・オープン!!


――HP/0――


――武器/愛の剣――


 なんだ、これは?


「あの、愛の剣というのは何となく、強い武器だというのは、解りますが……?」


 この、HPが0では、異世界に行っても、何の役に立つのやら。


「あの、これミスじゃ……?」


 だが彼女は、女神様は僕の疑問に何も答えず、ただ。


……ニィ、コゥ


 微笑みを向けた後、首をネジ傾げている僕に向けて、その腕を一つ伸ばし。


「……ゥウ!?」


 意識が薄れていく、僕の目の前から。


――ザォ、ザァ……――


 姿を、消した。


……ポゥ


 水音。


……タァ、ン


 何かが、ゆっくりと垂れ、落ちる音。


「……」


 それだけが、僕の。




////////////////




 青い空。


 サァ……


 明るい太陽。


……サゥア、ア!!


 それに覆われた、広々とした、どこまでも続く大草原、その先には。


「……ここが?」


 遥か遠くには、美しくそびえ立つ、純白の城。


「……異世界かな?」


 その城の麓には、暖かな光に包まれた。


「綺麗な、場所だな……!!」


 チュン、チィ……


 小鳥のさえずり声の中に拡がる、おびただしい数の、墓標。


「空気が澄んでいて、とても美味しい……」


 緑豊かな森、その隣には太陽の光を反射して、キラキラと光輝く水面、あれは湖だろうか。


 スァ、ア……


 この美しい世界に対して、感嘆の声を上げている、僕の頬を、軽く撫で上げる。


「……良い風」


 爽やかな風が。


 ガゥア、ズァウ、ア!!


 狂暴に、暖かな草原を暴れまわる、そして。


「……確か、これは」


 腰に剣を吊るしている、僕は。


「愛の剣、だったかな?」


 自分の剣の柄に軽く手を置き、身に付けている鎧の様子を確かめていた。


「……?」


 僕の方へ。


――……クン!?――


「……えっ」


 美しい、あの女神によく似た少女が。


 グゥウ、チャグ……


 軽やかに、暖かな草原を駆け抜け。


 チゥウ、グチュ、リィ!!


 そのスラリとした、スカートから伸びる、彼女の脚が跳ね、そして。


 グゥチュ!!


 僕の前に、目の前に止まり。


――……君、キミもこの世界に来たんだね!?――


「……あっ!?」


 ニッコリと、優しく。


――私、とっても嬉しい!!――


「……さん!!」


 僕に向けて、爽やかな笑顔で微笑みかけてきた、その子の事は。


「君も、この世界に?」


 純白のスガタを持ツ、美しい少女のコトは、トテモよく、知ってイル。


――これから、この世界でもよろしくね、……君!!――


「こ、こちらこそ!!」


――私、どこまでもキミと一緒にいるわ!!――


「うん、行こう!!」


 さあ、異世界での冒険が始まる!!




////////////////




 その後、僕は彼女と共に悪いドラゴンを倒す為にイロイロ冒険して、何回も。


――ギャァア!?――


 グチュウ、ポゥ、キィ!!


――イィ、ギィイイイ、ヒィ!?――


 お互い、肉片になったりミンチになったり悪人や怪物によって僕と彼女は何回も○○○され、ナンドも死にかけて、実際に死んだけど、その度に。


――よし、またこの愛の剣を使おう!!――


――ええ、頭と腕と胸と腰がグチャグチャに潰されて、もう死にそう!!――


――待ってて、今助けるよ、僕の手が腐っているから、脚で持とう!!――


――キャ、お腹から蛆虫が出て来ちゃったわ!!――


 愛の剣とやら、この剣の力によって、何度も蘇り、ついにこの世界を救った。


……ポゥ


 水の音が。


 タァン……


 響く。




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