第37話 夢の国を出たら地獄(現実)が待ってた

 ランドとシーを満喫してきたよ!!

 『小物とか装飾品、装備品とかは容子まさこが担当なんだから!その技術を惜しみなく使って貰おうと思って♡』

 と脅され最後の抵抗とばかりに自宅のミシンでは無理と訴えたら

 『どんなミシンでも買ったる。だから作ってな!』

宥子ひろこに作る約束を無理矢理強制させられた。

 なのでどうせなら立派な老舗ミシンで一番高い100万のミシンを買ったら宥子ひろこがヒスった。でも約束なので支払いさせたけどね!!

 でも宥子ひろこよ、サンプル品と言って買った商品をズラっと並べて段ボールに詰めて行くのは止めて欲しい。

 「宥子ひろこよ、使わないのに買ったの?」

 「そんなわけ無いでしょ!容子まさこに複製させるためのを選んでんのよ!!あ、これ可愛い。これは私が使うわ。」

 宥子ひろこよ、限度を知ってくれ!もう段ボール3個目になってるんですけどぉ!!

 「ちゃっかり使う分だけ省くな!!てかもう段ボール3個目じゃん。もっと個数を減らしてーな!」

 宥子ひろこにブーブーと抗議すると

 「何の為にランドとシーに行ったと思ってんの!あの人込み塗れのようなとこ!!」

ギンっと私を睨む宥子ひろこ

 「え?グッズの買い物と食事とパレード見に、身も心も癒すためでしょ?大好きなキャラにサインとチュー出来て私はハッピーだったわ。」

何言ってんだコイツと呆れたらギャンギャンと騒がれた。

 「私は人が多い場所って大っ嫌いなんだよ!ランドとシーの良い所なんて限定物のグッズが可愛いからだ!後は飲み物が美味しいな。でも人混みが多い、飯は不味い、値段が高い!!」

 ギャンギャンと文句言われた。

 「じゃあ、今度からお前だけ行かなければ良いじゃん。」

キパっと言ってやれば

 「アンタが私の指示通りに品物買って来るんだったらな!要らん物まで買って来るからダメ!」

バッテンを腕で作りダメ出ししやがった。

 「別に良いじゃん。夢の国だよ!?」

 「それでもダメ!複製出来たら検品するからね!」

 宥子ひろこの言葉にゴリゴリのゴリ押しされた私。






 宥子ひろこのディゼニーサンプル品が五箱になった所でやっと解放された私です。

 アトリエにてグッタリしてます。物が多過ぎだぞ、宥子ひろこぉ!!

 「無茶苦茶なこと考えてるなぁ。取り合えずデモで各100個って宥子ひろこ鬼や!!」

 宥子ひろこは全部って言ってたけど無理だべ。だが、買ったミシンの代金で脅してくるんだろうなぁ。

 「スタンダードに文具はボールペン、付箋、クリップ、糊、穴あきパンチは需要があるかなぁ。げっ、キッチン用品もあるじゃん!私を何やと思ってるんだ!?ネコ型ロボットじゃないんだぞ!」

 ズラっと並ぶキッチン用品に私は取り合えず、用途別に区分けすることにした。

 文具、キッチン用品、アクセサリーと小物、洋服、バックと分ける事が出来た。

 これを一回全部作って、あとは量産って形になるが……全種類作るとなると一ヶ月以上掛かるに違いない。

 私は一番作りやすいアクセサリーと小物を中心に作る事にした。

 「モーーーーーーーーー!!宥子ひろこのド阿保ぉおおおお!!!折角アラクラトロの心臓で魔法道具作るつもりやったんにー許さねえからなー!!!!」

 ランドで仕入れたバレッタとその材料になりそうな物を集め複製出来るか頑張ってみるのであった。

 複製って配置されている色とかも忠実に守って作ったサンプルの出来上がりは普だった。うん、劣じゃなくて良かった。

 取り合えず出来上がったアクセサリーの一つから複製を開始する。複製開始から30分ぐらいで最初のサンプル100個出来上がった。

バレッタ(並)×73個

バレッタ(良)×27個

 劣が無いが、並の量が多いなぁと思う。宥子ひろこはその辺どうやって売り捌くつもりなんだろう?

 まぁ、100個は作ったので私は次のサンプルに手を伸ばしたのであった。こうして私は徹夜をしながらサンプルを全て作り上げるのである。






 そんな私の絶叫最中の頃、契約テイムチームの皆さんは私のアトリエで遊んでいた。これはいつもの事なので、私は何も言わない。

 <容子まさこぉ、わし等も手伝ってやるでぇ!?焼酎なぁ>

 赤白せきはくちゃんの言葉に

 <お、良えね。手伝ったらカマンベールチーズ食いたいわぁ。>

紅白こうはくちゃんが続き

 <サクラはぁプリンが良いですぅ~>

高速プルプルで自己主張し始めた。サクラちゃんの高速プルプルと同時に楽白らくはくちゃんの不思議な踊りが始まっているが。

 <手伝い不要だから大人してよね。>

 私の言葉も余所に契約テイムカルテットは勝手に物を作りだした。此処で私が止めていたら、アラクラトロの心臓を契約テイムカルテットの魔の手は伸びなかったのだが、それを後悔するのはもっと先の話であった。

 <コレ改造せえへん!?>

 赤白せきはくの提案に

 <良えね!どんな感じにしよかぁ!?>

紅白こうはく

 <魔法の杖にしたいって言ってたのぉ>

サクラが私が以前魔法の杖にするんだ!!という言葉をバッチリ覚えていた。

 <ふ~ん、まぁ魔石やもんな。わし等では石磨けへんしなぁ。>

 赤白せきはくの言葉に

 <楽白らくはくちゃんが居ますぅ~楽白らくはくちゃんのお尻の糸は強度が変わるのぉ~>

楽白らくはくがお尻をフリフリして糸を出した。

 <そら、面白いなぁ>

 <滅茶苦茶改造してイカス魔法の杖を作ってあげよーやないかっ!>

 <頑張るのぉ~>

 サクラの声に合わせて楽白らくはくが謎の踊りをする。

 こうしてアラクラトロの心臓は紅白こうはく赤白せきはく主導で契約テイムカルテット作の魔法の杖が出来上がるのであった。

 その出来は見た目に反してチート級であるのだが、後に勇者の手に渡るという逸話が出来るのであった。

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