初配信は...兄様と料理作りだ!②
わたくしは兄様に人参を任せるとして玉ねぎをシャクシャク切っていった
「う〜う目がしみますぅ」
◯オネエ 頑張れシルちゃん
◯最強 玉ねぎ切って偉いね
◯そこらへんの雑草 頑張れ、ファイト!G5990
いつのまにか投げ銭を入れてくれる人がいてわたくしは少し感動した
スマホの画面の端っこには2つのカメラのうち一つの兄様を映していて兄様が作業しているのが見える
わたくしは涙を拭いながら兄様の所に駆け寄った
「兄様、剥けました?」
「これなんだが......」
兄様の人参を見た瞬間にわたくしと視聴者たちの動きが止まった
◯おっさん 嘘だろ...(ガクガク)
◯おっさん 本当に悪い予感当たった...
◯オネエ センスがないにもひどすぎる
◯そこらへんの雑草 これ食えるのか...?
わたくしは苦笑いしながら人参を見る
その人参は何故かボッコボコで抉れててしかも顔があるのだ
「兄様、なんで人参には顔があるのですか?」
「いや、その方が個性を出せると思って――」
わたくしはキレた
さすがの実兄でもコレは譲れん
「むしろどうやって顔を出したのですか?」
わたくしは声を低くして兄様を見る
「えっ!?それは魔法で――」
「兄様、もう一回向き直しです。こんどメイドさんに教えてもらいましょう」
◯オネエ シルちゃん怖い
◯おっさん でも怒る気持ちわかる
◯そこらへんの雑草 でも言われてみれば個性はある
◯??? これ出来上がったら多分想像を絶するものになるんじゃない(悪い意味で)
わたくしはまた自分の持ち場に戻って玉ねぎを切った
◯??? でもシルちゃんも結構酷いわよ
◯オネエ だってシルちゃん玉ねぎ二分の一にしているだけだもん
◯おっさん 手抜きすぎだろ
◯??? この家の食卓心配になる
◯最強 草
「もう、酷いですわよ!わたくしはちゃんとどこかの誰かさんみたいに顔は付けてないじゃないですか!」
わたくしが反論するとまたコメントが来る
◯オネエ ウ”ィスター程になるとアレは料理じゃない
◯おっさん うん、品種改良じゃない?
◯??? じゃあキメラとか作ってんのかな?
すると向こうからウ”ィスターが籠に人参を沢山入れて走ってきた
「シル、コレはどう?」
そう、その人参は...
さっきと全く変わんなくてむしろゾンビ化している人参がいた
もう、コイツダメだ...
諦めよう、私のモットーは秒で締めるじゃなかったか...
「もういいです、このまま入れましょう」
◯最強 まさかのOK
◯オネエ 毒薬を作るつもりなのかな?
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