このエピソードを読む
2023年4月15日 22:12
初めまして。この度は『あなたの作品を勝手に分析します』企画にご参加いただきありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。まず冒頭一万字においては主人公アレイシアの境遇と怒涛の展開、世界観にまつわる説明がされていて安定感のある駆け出しでした。アレイシアの境遇に関しては中々にハードでありながらも、どこか能天気な性格や出会った人物たちとのやり取りによって、上手く作品の雰囲気が中和されていたと思います。今後の伏線になりそうな情報も細かく散りばめられており、先の物語への想像が膨らむような印象でした。気になった点は、視点と物語の構成についてです。まず視点に関しては、本作はいわゆる「神の視点」が用いられていると思います。ですが、この視点を扱うにはかなりの熟練度が要求されます。読者目線ですと、現状の視点の使い方では読解に少なからず負担が生じます。たとえば、第二話でのアレイシアとヒューライルの視点の混在。一つの場面で視点が複数存在すると、それだけで混乱を招きます。特に序盤は、人物のイメージや相関関係が把握しにくいので尚更かと。この視点は様々な人物の心情を書き起こせる一方で、軸となる人物がおろそかになるという弱点があります。なので、本作の場合は三人称一元視点を活用されるのが最適解かと思われます。続いては構成について。こちらは展開が遅いように見受けられました。あらすじにあるもう一人の主人公の紗和子はまだ登場していませんし、流れ的に出会うのは先のイメージです。やや設定を盛り込み過ぎという風にも感じますが、一万字しか読んでいないのでそこには深く言及できません。ただ、物語が間延びすると読者も離れていきやすいので、大きなイベントはなるべく手前に持ってくることを意識してみてください。先の展開は一旦無視して例を挙げると、一話の滝でアレイシアと紗和子が出会う、偶然転移してきた紗和子が猪を倒してしまう、などでしょうか。適度に勢いのある展開は物語のメリハリにもつながるので、こうしたギミックを取り入れることもご一考ください。それでは、以上になります。作者様の執筆活動の一助となれば幸いです。
作者からの返信
ありがとうございました!普通に書いているだけでは、こういう意見ってもらうことができないので勉強になりました。アレイシアとヒューライルの気持ちが入り混じってしまうところは、書いていても違和感がありました。でも、独りよがりで突き進んでしまいました。なるほど、やっぱりそうだよねと思います。智の精霊も、登場させたいシーンばかりが頭にあって、どうしても遅くなってしまいました。確かに愛し子に選ぶシーンにこだわらず、猪のところで先に出しておく方が、その後の二人の関係も考えるとよかったなと思いました。その方が色々としっくりくるので、改稿しようかと思います!こういった企画に参加するのは初めてで、「読む価値ない」とか書かれたらどうしようとドキドキしたのですが、参加して本当に良かったです。本当にありがとうございました!
初めまして。
この度は『あなたの作品を勝手に分析します』企画にご参加いただきありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
まず冒頭一万字においては主人公アレイシアの境遇と怒涛の展開、世界観にまつわる説明がされていて安定感のある駆け出しでした。アレイシアの境遇に関しては中々にハードでありながらも、どこか能天気な性格や出会った人物たちとのやり取りによって、上手く作品の雰囲気が中和されていたと思います。今後の伏線になりそうな情報も細かく散りばめられており、先の物語への想像が膨らむような印象でした。
気になった点は、視点と物語の構成についてです。
まず視点に関しては、本作はいわゆる「神の視点」が用いられていると思います。ですが、この視点を扱うにはかなりの熟練度が要求されます。読者目線ですと、現状の視点の使い方では読解に少なからず負担が生じます。たとえば、第二話でのアレイシアとヒューライルの視点の混在。一つの場面で視点が複数存在すると、それだけで混乱を招きます。特に序盤は、人物のイメージや相関関係が把握しにくいので尚更かと。この視点は様々な人物の心情を書き起こせる一方で、軸となる人物がおろそかになるという弱点があります。なので、本作の場合は三人称一元視点を活用されるのが最適解かと思われます。
続いては構成について。こちらは展開が遅いように見受けられました。あらすじにあるもう一人の主人公の紗和子はまだ登場していませんし、流れ的に出会うのは先のイメージです。やや設定を盛り込み過ぎという風にも感じますが、一万字しか読んでいないのでそこには深く言及できません。ただ、物語が間延びすると読者も離れていきやすいので、大きなイベントはなるべく手前に持ってくることを意識してみてください。先の展開は一旦無視して例を挙げると、一話の滝でアレイシアと紗和子が出会う、偶然転移してきた紗和子が猪を倒してしまう、などでしょうか。適度に勢いのある展開は物語のメリハリにもつながるので、こうしたギミックを取り入れることもご一考ください。
それでは、以上になります。
作者様の執筆活動の一助となれば幸いです。
作者からの返信
ありがとうございました!
普通に書いているだけでは、こういう意見ってもらうことができないので勉強になりました。
アレイシアとヒューライルの気持ちが入り混じってしまうところは、書いていても違和感がありました。でも、独りよがりで突き進んでしまいました。
なるほど、やっぱりそうだよねと思います。
智の精霊も、登場させたいシーンばかりが頭にあって、どうしても遅くなってしまいました。確かに愛し子に選ぶシーンにこだわらず、猪のところで先に出しておく方が、その後の二人の関係も考えるとよかったなと思いました。
その方が色々としっくりくるので、改稿しようかと思います!
こういった企画に参加するのは初めてで、「読む価値ない」とか書かれたらどうしようとドキドキしたのですが、参加して本当に良かったです。
本当にありがとうございました!