WARASHIBE - 4(了)

 女に看病されて意識を取り戻したワラシは辺りを見回すとすべての動力設備は稼働を開始しており作業ロボットは走っていつでも核ミサイルを発射できる体制が整っていた老人がどこそこに撃てと命じればいつでも核ミサイルを発射できる状況だがワラシにはそんなことすらわからなかったし老人も説明する気はなかった老人はこの施設の名前を考え「ワラシ」とした元々ここはどこぞの軍事基地の核ミサイルサイロの部分だったから「部」をつければ体裁は整うのでそれでよかったのだろうと思われるさてこの老人実は破滅主義者で孫娘も終末論者であったからこの核ミサイルは当然のごとく自分らを含めた全人類の破壊のために使われるわけで老人は「全世界に死を!」と叫んだら作業ロボットはすぐに準備を完了して基地にあったミサイルを発射しまくったワラシにはミサイルがどこに行ってどうなるかも全然理解できなかったものの女はぼそっと「もうすぐワラシ様もこのミサイルの威力を実感できますねきっと気持ちいいですよ」と言ったからもうどうでもいいやって思い目を瞑っていたら最後のミサイルがサイロから発射されてくるっと空中でUターンし下に真っ逆さま世界が光に包まれた(了)

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