第37話 殺人ロリータ アマテラス散る


「貴様は絶対に殺す」


「ふはははっバーカ、本物の殺人鬼っていうのはさぁ『殺す』なんて言わないんだよ、おばさん!」


「若干12歳…白いブラウスに赤い吊りミニスカートに身を包むその姿に大人の紳士は釘付け…チラチラ見える白い下着は殺し以外でも目を奪われます…その名も『殺人ロリータ』ミウ 当人曰く、この大会で優勝したら、その賞品として理想のお兄ちゃんを望むそうです。対するは日本のアイドル殺人鬼神9リーダーのアマテラス…黒髪のなかなかの美人だぁぁぁーー!」


「さっきからもう、皆、エッチな目ばかり…イーだ」


「お前、私を愚弄するのか?」


「おばさん、弱いんだもの…さっきから馬鹿みたいにナイフばかり繰り出して…全然当たらないのに…バーカ、バーカ」



本当にナイフがかすりもしない…


何故…まさか私とそこ迄の差があると言うのか?


神9の中で1番の私が...全く歯が立たない。


「貴様ぁぁぁぁーーー」


「おばさん、本当に弱いくせに煩いなぁ」


「おばさん?!私はこれでもピチピチの22歳だ、舐めるなぁぁーー」


1本目の首を狙ったナイフはブラフ。


本命は靴に仕込んだナイフで足首から先に致命傷を与える事だ。


あの翻弄する動きさえどうにかすれば勝てる。


『これでイケる』


「つぁぁぁぁーーっ」


「22歳じゃおばさんじゃない? 痛い、また転んじゃった…またパンツが見えちゃったじゃない…もう…」


転んだ…いや躱したのか?


今、慌ててスカートを戻したが…見えたぞ。


此奴…


「痛いなぁぁぁ、おばさん、女の癖に、ミウのパンツがそんなに見たいの?変態なの?」


「黙れ、このクソガキ…殺すぞ」


「あはははっこわぁぁぁぃ…だけど、おばさんにそんな事出来るの? 出来ないんじゃない?」


クソ、悔しいが…此奴のスピードにはついていけない。


しかも神9の私がこの戦いの主人公になれない。


悔しい…この戦い…私は脇役だ。


不味いぞ…このままじゃ。


「太陽の光の如くきらびやかに戦う! アマテラス」


こんな三下に此処までさせられるとは思わなかった。


「なぁに、おばさん? 何かの真似?あはははっ、今度はミウから行くよーーっ、そうれ」



「なっ、斧?」


「あはははっ、ミウはね、可憐なだけじゃないの?強いんだよーー」


何処に隠していたんだよ斧…


「凄い…なんて驚くわけ無い…お見通しだ」


神9用の特別な武器。


ガラスのように透明な2本の私専用の剣。


ルールとしては名乗りを上げてからしか使えない。


特別な武器…


1本の剣で斧を受け…もう一本の剣は此奴の喉を狙う。


「これで決まりだーー死ねーー」


「きゃぁぁぁぁぁーーー…なんてね?! バーカ、バーカ、前にそういう奴が居たから、肌色のチョーカーをしているの…効かないよ、おばさん」


嘘…神9専用の武器でも仕留められなかった。


「クソ…」


「そろそろ良いかな?」


「なっ」


「可憐に可愛らしく戦いたいの ロリータミウ」


スカートの中から、なんで、そんな物が…


「止めろーーーーっ」


「だーめ、ミウは止まらないよーーーー」


ズガガガガガがガガガガンッ


まさか…サブマシンガンまで持っているなんて…


終わりだ…


◆◆◆


まさか…私の神9が…その中でも最強のアマテラスが…1回戦で負けた。


しかも12歳のようやく字が付いた様な殺人鬼に歯が立たない。


各国のトップクラスが集まっているとはいえ…全く歯が立たない。


しかも、日本人の癖にアメリカから出場しているのが地味に腹が立つ。


「帰るぞ…他の神9は棄権だ、違約金は払う」


アマテラスがあれじゃ…全員死ぬだけだ。


世界の壁は…高い。













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