第9話 SとKの死体
「ハァハァ…殺してしまった…」
目の前には頭から脳味噌をまき散らして死んでいる少女の遺体がある。
頭は潰れ、片目は転げ落ちている…そして残った目は俺を恨みの目で見開いて見ていた。
恨みがましく見るなよ…お前が俺を殺そうとしたんだろうが…
馬鹿な女。
顔はきつめだが美少女と言える位綺麗だ。
胸は小さいが、スタイルは凄く良い。
手足なんてスラっとしている。
パンツは白と…
まぁ死んでしまえば…いかに美少女と言えど意味はない。
此奴は本当にアホだな。
親も医者で、自分も優秀だったのだろう…
俺とは違う、人生勝組。
キラキラした楽しい世界で暮らせていたんだろうな。
馬鹿だな。
本当に馬鹿だなーーっ。
幸せそうだな…
それなのに、変な気を起こして全部失って…ニュースでは医者になる頭も持っていて名門校で主席。
本当に馬鹿だな…
そんなエリートが殺人鬼になって…今俺の傍で死んでいる。
「うぷっげっうぇぇぇぇぇえーーーーぐぇ」
流石に気持ち悪い…
「ぐぅえうげごぱああああっうぐ」
全部吐いた方が良い…
幾らなんでも二人ともこちらに来たとは思えない。
これで大丈夫な筈だ。
後は出来るだけ早く…
「うぷっ」
いつも、そうだ。
俺はこういう時にいつもゲロを吐く。
だから嫌われる。
◆◆◆
「よう!」
嘘だろう…なんで此奴もこっちに来ているんだ。
俺、運が悪すぎだろう…
「…」
「本当について無いぜ、あと少しでブサイクな女を捕まえられると言う所で、あのむさい中年のおっさんに邪魔されてよ…」
「それで和夫さんは…」
「うん、殺したよ…ムカつくじゃん?! 所でその女はお前が殺したのか? やるじゃんか…それで使わないのか?」
「使うってなんだ…」
「使うって穴に決まっているだろが! 本当は殺しながらやるのが楽しんだよ!しまって最高なんだぜ…まぁ死んじまっても緩いけど使える…やるなら、その間待っててやるぞ」
やはりイカれている。
元は美少女とはいえ、顔の潰れた死体相手にやれるわけが無い。
「いや、それは良いや」
「それなら、俺が犯っても良い?俺が犯っている間は命の保証をしてやるから」
「そう…良いぜ」
これはチャンスだ。
「そうか? あんがとよ…邪魔したら殺すよ!」
「…」
隙を見て殺そうと思ったが無理だな。
此奴はしっかりと、腕力がある。
Kとは違う。
「それじゃ、これ使わして貰うよ?サービスタイムだ…1回終わったら追いかけるから、その間は逃げて良いからな」
「マジか?」
「マジだ! 警察から此処に連れて来られて溜まっているんだ…ほら逃げろよ!サービスタイムだ」
そう言いながらSはズボンをおろすとKの死体のスカートをはぎ取った。
◆◆◆
Sは精力の塊だ。
女を犯す沿線長で人を殺す。
まだ、陽子さんは生きている。
Kの死体を犯して満足したら、陽子さんの方に行くかも知れない。
Sは男に興味が無いからな。
俺は一刻も早く、下に向かえば良い。
彼奴を背にして下っていけば、先回りされるわけはない。
チャンスだ。
今ならただ一直線に下って行けば良い。
『サービスタイム』を有効に使わなければな。
ある程度Sから距離をとったあと…俺は一直線に山を下り始めた。
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