ウサギの牙 いつか狼やトラを殺す素質…

石のやっさん

第1話 自殺志願者サイト『幸せの扉』

僕は今チャットを行っている。


泰明 『いよいよ明日ですね』


陽子『自分1人で死ぬのは怖かったけど、皆と一緒なら…怖くないかも』


大樹『それで場所は神代さんが用意してくれるんですか?』


神代『はい、どうせ死ぬならと最高の場所を用意しました。最後位は楽しまれた方が良いでしょう? 死ぬのに必要な道具も僕が用意しますから、皆さんは手ぶらで大丈夫ですよ! 移動の時の車も用意しますから、ご安心下さいね!』


和夫『神代くんばかりの負担を掛けて申し訳ないね、場所は東京都のXXX駅、かなり山奥の無人駅だけど此処で間違いない?』


神代『はい、そこで間違いないですよ…そこに別荘があるので最後の晩餐位、楽しみませんか?』


泰明『お気遣いありがとう…』


◆◆◆


僕事、未来泰明が行っているのは自殺の準備だ。


自殺志願者を募るサイト『幸せの扉』で僕たちは出会ってこのチャットルームを使うようになった。


どうして死にたいのか?


それを聞くのはご法度になっている。


だから、他の人の理由は解らない。


僕の死にたい理由は『虐め』だ。


中学に通っていた僕は、ちょっとした正義感から絡まれている女の子を助けた。


だが、絡んでいた奴が学校の中心人物の智久で、それが気に食わなかったのか必要に僕を虐める様になった。


最初は教科書やカバンが隠される位だったが、だんだんエスカレートしていき壊されたり、燃やされたりするようなった。


最後には暴力を振るわれ、金迄巻き上げられる始末だ。


しかも、助けた女の子は『そいつが怖かったのか』僕がしつこく付き纏っていて、その仲裁をしてくれたのが智久という事を言い出した。


清純そうな彼女は、今では茶髪の頭の悪そうな女になり、智久の彼女だ。


何処までも救われない話だ…


毎日の虐めに疲れた僕は、不登校になり、家にも居場所が無かったから『死にたい』そう思うようになったんだ。


そして、ネットをググってたどり着いたのがこのサイト『幸せの扉』という訳さ。


そこからは早かった。


『死にたい』と思う仲間が集まりチャットを数回繰り返しそして…


明日が自殺の決行日…そう言う事だ。


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