トレント討伐・(補足説明有り)


「さてと、レベルが上がった訳だし、レベルを確認してみるか」


  ステータス

 名前・千大 大和 

 年齢・19歳 

 性別・男 

 種族・人間 

 種族level・21

 職業・見習い剣士

 職業level・2

 

 HP・240

 MP・220

 攻撃力・24

 防御力・24

 魔力・22

 俊敏・22

 器用・22

 

 ギフトスキル

 【職業変更】【アイテムボックス】


 種族スキル

 【人間共通語理解】【日本語理解】


 職業スキル

 【見習い剣術】


 自力獲得スキル

 【速読】【持久力向上】【走力強化】【四則演算】【日本歴史理解(中)】【数学理解(中)】【法則理解(中)】【妄想】


 称号

 【異世界転移者】


「しっかりとlevelが上がってるな。しかしアレだな、見習い剣士はlevelが1上昇するごとにHPと攻撃力と防御力が1ずつ上昇であっているな。これは確定した情報として良さそうだな。

 というか、待て、ギフトスキル・アイテムボックスなんてのがあるよな?これ異世界ラノベ通りであれば、あのアイテムボックスだよな。質量を無視して様々な物を収納できる最高のスキルだよな?

 丁度今目の目の前に今殺した角ウサギがいるし、試してみるか」


 アイテムボックスを使いたいと念じながら角ウサギに触れる。


 角ウサギが消えた。

 それと同時に頭の中にゲームで見るアイテム欄のような形のウインドウが浮かび、角ウサギを収納したというのを理解した。

 

「なるほど。こうなるのか、じゃあ角ウサギを出してみるか」


 アイテムボックスから角ウサギを取り出したいと念じる。


 角ウサギが目の前に現れた。


 もう一回角ウサギを収納したいと念じて触れる。


 収納出来た。


「なるほどね、非常に便利だな。じゃあ次は触れずに遠距離にあるものを収納できるか試してみるか」


 遠くにある草をアイテムボックスに収納したいと念じる。


 無理であった。


 足元にある草をアイテムボックスに収納したいと念じる。


 無理であった。


 かがでんから草に手で触れて念じる。


 収納が出来た。


「なるほどね。アイテムボックスは体が触れていないと収納が出来ないということか。それでもアイテムボックスが便利なことには変わりないな。最高だなアイテムボックス。

 さて、じゃあ今からどうするか?

 まず俺の一番の目標はこのリアルハクスラゲームを最高に楽しむことだ。

 ただ、そうなると拠点が欲しい。町に行きたい。

 正直、この異世界の文明レベルってのが分からないんだよな。


 予想出来るものとしては、そうだな。

 人間なんて住んでいない魔物達のユートピア。

 異世界あるあるの中世ヨーロッパ的な世界。

 人は存在しているが文明レベルが原始時代レベル。

 中華漫画にありがちな文明レベル、ようはキン〇ダムレベルの文明。

 ニ〇アみたいに人間はほとんど滅んでて、一度は高度に発展したが荒廃してしまった世界。

 魔法と化学技術が融合して、しっかりと発展してる現代と同等の文明レベル。

 色々と思いつくが、さて、どれかな?

 私的に一番良いのは、異世界あるあるの中世ヨーロッパな世界・・・じゃなくて、魔法と化学技術が融合して、しっかりと発展してる現代と同等の文明レベルかな?

 なんでかって言えば、その方が暮らしが楽そうだし、娯楽もたくさんあって食事も美味しいからだな。うん、現代の科学技術最高。

 正直、異世界あるあるの中世ヨーロッパだったら、衛生事情や食事等がかなり心配ではあるからな。


 さぁて、どれかな?


 まあ、今必死に考えても分からないし、高い木でも探して登って見てみますか。


 という訳で高い木でも探して歩きましょう。


 てくてくてくてくてくてく


 歩くこと10分

 

 草原の中に何故か大きな木が一本生えていた。

 

 丁度いい所に大きな木があるじゃないかと思い近づいてて、ふと疑問に思う。


 おかしくないか?


 と。


 こんな草原に大きな木が一本だけ生えている。

 おかしい、おかしい、おかしすぎる。


 といってもここは異世界だ。 

 そういうおかしいことがあってもいいかもしれないが、ラノベあるあるとして、こういう場合はたいてい、木に擬態しているトレント系統の魔物というケースが多い。


 つまり、この場の俺の取れる選択肢はこうだ。


「オラ~~~」

 俺は全力で声をあげて、近くにある石を大きな木に向かってぶん投げた。

 男子大学生であるし、ある程度は運動しているから、そこそこの威力があるだろうと思って投げた石は異世界のステータス補正の効果か、想像以上の速度を出して大きな木にぶち当たる。


 メリメリ


 大きな木に石がめり込む。


 そして、めり込まれた石はそのまま吸収された。否、飲み込んだ。

 流石にこんな木が存在するわけがない。


「トレント系統の魔物、確定だな。これは」


 俺は石を探して更に投げる。

 投げる。

 投げる。

 投げまくる。


 大きな木に当たる度に、大きな木は石を飲み込んでく。

 ただ、段々と飲み込むスピードが遅くなっていくのを感じる。


 そのままひたすらに石を投げていた、大きな木は否、トレントが体を揺らし、ゆっくりとだがこちらに向かってきた。


 それを軽く走って逃げながら、更に石を投げていく。


 メリメリ

 メリメリ

 メリメリ


 割と軽快な音を鳴らさせ続ける。


 10分程、追いかけっこをしていたら、トレントがその大きな巨体を揺らして倒れた。


 【トレントを討伐しました】

 【経験値を獲得しました】

 【下位職業・見習い剣士のlevelが6上昇しました】

 【levelが3になりました・職業スキル・スラッシュ(弱)を獲得しました】

 【levelが5になりました・職業スキル・回転斬り(弱)を確認しました】

 【levelが7になりました・職業スキル・ダブルスラッシュ(弱)を獲得しました】

 

「力が湧いてきた。気持ちいい~~~。良いね。この瞬間の為に生きている気分だ。

 しかもかなりlevelが上昇したな。

 どうやら俺の想像以上にこのトレントは強い魔物だったようだな。

 おかげで新しい職業スキルを覚えれたな。でも、俺今剣持ってないから使えないんだよな。

 うわ、悔しい。使いたい~~~って、嘆いても仕方がない。取り敢えず当初の予定通り町を探していきますか」


 

――――――――――――――――


 魔物紹介

 トレント・・・木に擬態して近寄った相手を根っこで絡めとり、刺し殺してから栄養にする化け物。

 足が遅い為、基本的には待ちの姿勢だが、少しでも近寄れば根っこに足を取られてそのまま引きずり込まれて殺される。

 木なのに火魔法に耐性があり、生半可な火では効果はない、水なんて与えれば逆に成長する、風と土も余程強力な魔法じゃない限りは効果ゼロ。

 物理攻撃で倒そうにも、一定ダメージ以内であれば全て吸収するというスキル【物理ダメージ吸収】を持っている為、難しく。

 討伐方法は熟練の魔術師が一気に焼き殺すか、数を揃えて滅多打ちにする等々、間違っても主人公みたいに逃げ回りながら石をなげて倒したりなんかしない。


 因みに、何故?levelの低そうな異世界1日目の主人公が石を投げただけで倒せたかと言えば、純粋に攻撃力が24もあるからです。


 軽いネタバレになりますが、種族level23はめちゃくちゃ高いです。

 基本的には職業を変更するとその分のステータス上昇値は消えますので(一部例外あり)、種族level+職業levelの強さが基本です。

 そして、下位職業のlevelは全て10がMax&上位職業等になると、level上限は50とかですが、めちゃくちゃlevel上がりにくく、高位職業level1と下位職業level10だと、後者の方がステータス的には高いです。


 とどのつまり、種族levelってのはめちゃくちゃ重要です。


 ただ、この種族levelは最上位職業と同じくらい上がりにくいです。

 普通の人は2とか3です。


 じゃあ、何で主人公は21もあるのかといえば、ずばり、人間として様々な本を読み知識を蓄え、この世界の法則を理解する勉強をしたからです。

 種族levelの上がり方は主に2種類あり、一つ目は魔物を倒す。

 二つ目はその種族ごとに定められた経験値を得られる行動を行う。

 例をあげると、ドワーフであれば、鍛冶を行うことで種族levelが上がりますし。

 エルフであれば、自然を豊かにすることで種族levelが上がります。

 淫魔であれば、sexをすることで種族levelが上がります。

 そんでもって人間の場合は知識を蓄え、深めることで種族levelが上がります。


 え?おかしくねって思うかもしれませんが、一応この考えに至った理由としましては、現代において人間は様々な知識を蓄え、深めることによって繁栄してきました。

 科学技術なんてその最も良い例です。

 一世代、たかだが数十年、100年では絶対に成し遂げられないような偉業も、知識と言うか形で書物や口伝として残し、継承し、成し遂げてきました。

 だからこそ、人間の種族levelが上がる方法は、知識を蓄えて深めることにあるのではないかと思った次第です。


 割と確信をついてると思う気がする。


 で、そんな種族levelはその内容によって貰える経験値の量が大きく違います。

 例えばドワーフであれば聖剣を創れば、莫大な量の経験値を獲得できますし、エルフであれば世界樹を育てれば莫大な量の経験値を獲得できます。

 で、人間の場合は1世代では絶対に到達しえない知識を学び理解することによって莫大な量の経験値を獲得できます。

 例えば、数学。

 当たり前のような勉強してますが、四則演算から始まり、二次関数や√といったものを1世代で生み出すことが出来ますか?

 無理です。

 これだけで莫大な量の経験値を獲得できてます。

 例えば理科、当たり前のように習ってる法則の数々、反射の法則やフックの法則、力学的エネルギー保存の法則、エネルギー保存の法則、フレミングの左手の法則、慣性の法則等々、数多の天才たちがひらめいた、様々な法則。

 ある意味で世界の理といっても過言ではない法則、これを学び全部とまではいかずとも、テストに出て答えられる程度には理解している。

 それはもう莫大な量の経験値を獲得してます。


 そんな訳で主人公は種族level21になってます。

 敢えてもう一度言いますが、種族level21はめちゃくちゃ高いですから。

 割とチートと言っても良いです。


 以上、補足説明終わり。

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