繰り返し何回目かの最高の一年間

こにすにす

わたし

あぁ……またダメだった……。



「ざんねん……」



今回学んだ事は剣で2人刺せるという事……



(…………この人だから貫けたのかなぁ?)



分からない。



(……やっぱり……少しは……戦うってこともべんきょーしないとなぁ……)



何回も繰り返してるからかいつもこの瞬間はゆっくりに感じる。


(慣……れたから…………?)


それがいい事か悪い事かは分からない。けど、



(何を……お…ぼえておくか考え……られるのは……いい……こと…か…なぁ……)



誰かが何か言ってる気がする。



(……?……さ…け……?)



ぼやけてきた視界で刺した人が叫んでるのが見えた。



(…………?…………ち……が…………う……?)



言ってるのは後ろにいる一緒に貫かれた人?



(……へ…………ん…………な………………の…………)



叫んでる人よりよく聞こえるなんて、不思議。けど……



(…………ざ……ん…………ね………………)



何かを言ってるのは何となく分かるけど、何て言ってるのかはもう聞こえない。

せっかくなら覚えておきたかったなぁ。



次がまた始まったら皆は忘れてしまうから。



もしかしたらこれで終わりかもしれないけど……

だったらますます聞いておきたかったなぁ。



だって覚えているから、

何故かわたしだけは、

覚えているから。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る