スーパー銭湯で同級生と再会
通院後、アパートのある地元の最寄駅に帰り着くと、ちょうどスーパー銭湯のシャトルバスが駅エントランス真ん前の道路に停まっていた。
「このまま行っちゃお!」
思い立ったが吉日というやつだ。
そういえば、せっかく地元に新しくスーパー銭湯が開店したのに、まだ一度も行ったことがなかった。
季節はちょうど秋、十月。
寒くなり始めて温泉が気持ちの良い季節だ。
スーツ姿のままシャトルバスに乗ること十分弱。
到着したスーパー銭湯、爆竜の湯は大型タイプの施設で、7階建ての立体駐車場と一体型の建物の大きさにちょっとカレンはビックリした。
「大きい〜! どうせ行けるのは仕事休みの週末だけだし、土日は家族連れで混み混みだからって来ることなかったのよね」
午後休を取れた本日はもちろん平日。
それなりに客は入っていたが、混んでいるというほどではなかった。
胃が弱っていたカレンは、身体にストレスのかかるサウナや岩盤浴はパスして、温泉と奮発してマッサージを堪能することにした。
思えば就職してからずっと、自分を労わることを忘れていた。
「うう、これが整うという感覚……久しく忘れておったわあ……」
半分整体、半分リンパマッサージのタイマッサージを受けると、もう全身がバッキバキに悲鳴を上げていた。
「つら。あたしまだ28なのに疲れすぎでは?」
「ホントホント、オツカレサマー!」
「ですよね!?」
温泉とマッサージの後の、ゆるゆるでほっこりじんわりした身体を休憩スペースで休めていたとき、通路を通りかかった男性客に声をかけられた。
「もしかして、青山か?」
「藤原!? うそ、すごい奇遇ー!」
何と地元の中学時代のクラスメイトだ。
「藤原、変わってないねー」
「青山こそ。ていうか何でこんなところに」
カレンは女性用の赤色の館内着。
相手、藤原は男性用の青色の館内着。
そしてここはスーパー銭湯。
「「オッサンか!」」
「「お前がな!」」
もう互いに大爆笑だ。
周りの利用客たちの視線を集めてしまって、慌てて声を潜める。
「今日、平日じゃん。サボり?」
「まさか。病院行くために午後休貰っただけよ」
利用客が休んでいる休憩スペースで会話し続けるのもなんなので、レストランに行って食事がてら再会を祝うことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます