透明の野球
結望人
プロローグ 透明の野球選手権大会
「カキーンッ」真っ青な空へ浮かび上がった白が、そのままレフトスタンドへと吸い込まれていくように消えていった。ホームランだ。「ガタッ!」打った瞬間、私は思わず立ち上がりボールの行方を追った。ボールがスタンドへ消えていった瞬間、歓喜の声を上げそうになったがぐっと堪え、スタンドで1人手が痛くなるほどの拍手を送った。ホームランを打ったのに声は1つもない。夏の大会の代名詞ともいわれるブラスバンドも、チアリーディングも、観客も、ウグイス嬢も、全てない。聞こえるのは選手たちのかけ合う声とバットがボールを捉える音だけ。まるで何か別の競技を見ているようで、球場は不思議な雰囲気に包まれていた。
透明の野球 結望人 @hope_n
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。透明の野球の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
あの夏/結望人
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
デリヘル受付嬢@お仕事中/リョウコ
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 6話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます