とある少年 〜困ったあだ名とキラキラネーム〜
明鏡止水
第1話
物音。
扉の開く音。階段を駆け降りる音などはしない。代わりに、少し経ってから。
車のエンジンのかかる音がする。
少年はほっとした。
こわがりである。いとしい、いとしい、読書好きの怖がり。
冷蔵庫のとつぜんの稼働音の停止にはほっとする。風呂場の水滴の垂れる音も。
こうして明るい部屋の下、目だけは良いので裸眼で本の文字を追えること。
一度垢抜けたくて伊達メガネを買ったことがあるが、かえって、ほんとうに目の悪い少年に見えるだけのインテリ眼鏡になってしまった。
少年は、孤独ではなかった。
セフレがいるからだ。毎日おはようのLINEがメッセージとスタンプと共に送られてくる。
それでも、
夜は、ひとりは怖かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます