第5話 景虎、ナンパをするⅠ
ああ、なんか前髪なかったらなかったで恥ずかしいな。なんかめっちゃ見られてるし・・。
僕は、昨日信長君にされたように後ろ髪を中盤から結んで、学校までの道のりを歩いているのであった。そうして、観衆の目に晒されてるのが嫌で少し早歩きで教室までついたのだ。
すると、廊下から見えた教室では、信長君は、やはりチャラ男・・・。もとい、リア充はクラスの何人かと楽しそうに雑談しているのであった。
「景虎遅いじゃねぇか」
廊下から、教室のドアに差し掛かった時に教室の真ん中からこっちに来た。
「信長君おはよう。それよりなぜでしょう。ここでも、なぜか多数の人からの目が刺さるのですが・・・」
朝からの視線が何なのか、相談するのはやはり相談できるのは、信長君しかいないと思い言ってみるのだが、このチャラ男・・。もとい、リア充は笑っているだけであった。
「そりゃ、お前が顔見せてるからじゃねぇか」
「やはり、こんな醜態をさらす髪型はやっぱダメだったんじゃないですか」
「おい、お前は、自分の顔をなんだと思ってるんだ。どっか、顔の半分陥没してるわけでもないし。目が細すぎるわけでもないし」
「いや、だって、男らしい顔してないんですもの」
「・・・。まぁ、いいじゃねぇか。それより忘れてないんだろうな」
「はい。大丈夫ですよ。女の子をナンパするんですよね」
「はぁーー。もうお前にツッコミ疲れた。まぁ、今日の放課後な」
「ツッコミ要素ありましたっけ・・。まぁ、分かりました」
ちょうどチャイムもなったところで、僕らは、それぞれの席に着いた。
先生が入ってきて、こっちを見てなんか驚いていたけれども、なぜだか全くわからなかった。隣では、信長君がクスクスと笑っている。なぜなんだろう。僕は、少し考えたが、全然分からなかった。
そんなこんなで、授業は、どんどん過ぎていった。休み時間は例のごとく、信長君に話しかけられる以外に誰とも話すことはなく、僕は、休み時間などはラノベを読んで勉強していたのだった。
そして、信長君の言っていた女の子に会うために僕らは、隣のクラスのB組に赴くのだった。
「俺は、廊下で待っとくから。行ってこい」
「はぁ。分かりました」
僕からしてみれば、この状況は非常にまずかった。僕は、ほぼ琥珀姉さん以外の女性とは、話したことがない。信長君に言ったようにいけばいいのかな。いや、やはりそうに違いないか。しかしながら、立ち止まるしかなかった。
「おい、どうした。早くいけよ」
「いや、このクラスの誰なのかなと思いまして・・」
「ああ、それもそうだな。あいつだよ。結城千代」
そう言うと信長君は、教室内の隅っこの席にいる綺麗な少し紺色がかった長髪の女性が優雅というべきか、なんというかとりあえず本を読んでるボッチだった。
「じゃあ、行ってきますね。信長君」
「おう」
僕は、信長君の見送りを経て、読書ボッチのところに行った。
「あの、ちょっといいですか」
僕が話しかけたら、読書ボッチはこっちを睨みつけた。わぁ、怖い・・・。そりゃそうさよな。僕だって、ゲームのいいところで知らない人に声かけられたら、怒るもんな・・。
「なんでしょうか」
僕は、ひとまず友達申請をしないといけないという信長君の指令を無視しては、いけないと心の中で決意した。
「あの、僕と友達からでいいので、付き合ってください」
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