法律の基礎知識[6][7][8][9]

[6]判例ってなに?

 判例って言うのは過去の裁判の例です。裁判所のホームページで絶賛公開中ですが、膨大な中から労働基準法関係を探すのはとても大変なので、普通に法律関係の本とかで調べた方がいいです。

 判例の中には裁判のきっかけの出来事と、理由と結果が書かれてまして、地方裁判所のものよりも最高裁の方が「強い」のです。

 で、素人さんは出来事と結果だけ見て色々判断しちゃうんですが、最も重要なのは理由の方で、ここはこういう風に判断しました、という解釈の部分がその後の裁判に影響してくるのです。

 同じようなことであれば裁判所は同じように判断しますよ、でも地方裁判所だと結構自由に判断することがありますよ、っていうのが判例です。


[7]労働基準法っていつからあるの?

 労働基準法の前身の法律は1911年制定、1916年施行の工場法で、社会主義運動を厳しく取り締まる中で制定・実施されたそうです。昔から雇い主と労働者の間には、問題が絶えなかったということであると同時に、世界的な流れでもあったんじゃないかなと思います。1919年に国際労働機関ILOが動き始めましたし。

 ちなみに、世界文化遺産でお馴染みの富岡製糸場は自然光で仕事をしていたせいか、1日7時間45分労働で週1日お休みだったそうで、後の日本でしばらく標準になる週48時間制よりも短い労働時間でした。


[8]労働基準法ってどんな法律?

 検索するとすぐ出てくるように労働者を保護するための法律だよん、とか言ってもいいんですが、個人的には条文や解説等から、違う視点で四つほど挙げてみたい。

 一つ目は、雇用契約(労働契約)の書類をちゃんと作れよと会社側に促す法律。

 二つ目は、会社側に労働者の管理をきちんとしろよと促す法律。

 三つ目は、会社と労働者の間に問題があったら、お前らちゃんと話し合って会社の中で解決しろよと促す法律。

 四つ目は、変な労働契約を修正する法律。


[9]労働基準監督署って何が出来るの?

 労働基準法・労働安全衛生法関係の法律・手続き書類の相談・提出、あと調査・取り締まりなどが出来ます。

 警察と同じように逮捕権もありますが、労働基準監督署が逮捕するのは極めて珍しいことで、逮捕せずに書類送検で刑罰を科します。それも労働安全衛生法違反のように労働者の命の危険があるような場合や、法令違反を隠蔽していたり虚偽の報告をしたり、是正勧告(行政指導)に従わなかった場合などで、あまり数は多くないようです。

 ちなみに労働基準監督署も行政機関である以上、民事不介入の原則がありますので、例えば給与の未払いが発覚した場合、行政指導はできても、強制的に未払い給与を払うよう命令をする権限はありません。給与支払い義務違反による書類送検はあくまでも刑事手続きで、個人の給与の関係は私法=民事裁判の扱いになるためです。


 あ、この文章、全然ゆるくないな。気を付けよう。


 えーと次はe-Govからコピペ保存した労働基準法の全文コピペ回ね。附則は省略しますよ。

 どのみち1条ずつ解説するので、全文は読み飛ばしても全く問題ありませんし、むしろ読み飛ばし推奨です。

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