異世界で最強になりたい!!!

龍百

第2話

「ね、ちょっとこの村、案内してくれない?」

「えっ、えぇ……?いや、私はちょっと用事があってですね……」


あっ、なんか弟子が知らない人に絡まれてる!

ってか絡んでる奴チャラいな……あいつの前世絶対にDQNだろ……


まぁ真面目な話をするとあのチャラい人は貴族の坊っちゃんですね


この村の人は全員覚えてるからな、この村に来る偉そうな奴なんて貴族以外知らん


「あっ、すいません、そいつこれから俺と待ち合わせしてたんですよ」

「ン?……オニーサン、誰?」


待ち合わせしてたって言ってるだろぉ!?

……あ、庇ってると思われてるぅ?いや、普通に用事があるからさっさと退いてくんねぇ?


これ魔法の訓練だから伝えられないし見せられないんだよね……


「えっと、俺はそいつの師匠ですね」

「アごめ、オレ、名前を聞きたいんだよね」


あぁ……そういう?

言いたくなかったんだけどなぁ……


「……ユートですね」

「へェ?オマエがユートサン?丁度良かったわ

オレ、オマエと会いたかったんだよね」


でしょうねぇぇぇぇぇ……


「あー、はい、分かりました……ミリア、ちょっと待ってろよ」

「はい!分かりました先生!」


「ユートサン……オレ、ユートサンに色々と教われって言われててさ……」

「あーはいはい、分かってますよ」


俺に教われぇ?

体のいいサンドバッグの間違いだろ?


俺さぁ、暇な時間は修行してるからさ、修行の為に千里眼と念動力でお前の家の魔法関連の本を読み漁った事あるんだけどさぁ……


なんかほぼ全部の魔法の教本に

「貴族は魔力的な素質に優れてるので平民となら負けません同年代の魔法を使える平民に勝ち、自信を付けましょう」


的なことが書いてあって戦慄したわ、この方法が主流なのヤバいだろ


「う〜ん、それじゃあまずは俺の修行についてこれるかどうか決闘でもしましょうか」

「エ……オレとオマエが決闘?」


「はい、貴方がどれくらい強いのか知りたいのでまずは戦うのが一番だと思いましてね?」

「ヘェ……?、その代わり、決闘には何を賭けてくれるの?」


え?あー、どうせ勝つから何を賭けるのか決めてなかったわ


「なんでもいいですよ」

「ア、そう…」


あっ、鑑定してきた

でも残念!偽装抜けてないねソレ


逆に坊っちゃんのステータスはこんな感じ


ーーーーー

名前:ノマル=リーフェルト

Lv24

HP1158/158

MP1325/325

筋力36

知力75

精神73

敏捷31

器用28

称号

異世界転生者 貴族の血脈 天才

スキル

魔力操作Lv53 火魔法Lv50 水魔法Lv50 風魔法Lv50

土魔法Lv34 魔力強化Lv30 詠唱短縮Lv8 魔力回復Lv8偽装Lv34 剣術Lv5 鑑定Lv28

ーーーーー


う〜ん、雑魚!!!

それとコイツも転生者らしい、マジで前世DQN説が出てきたな……


そして偽装Lvたったの34っていうね……

せめて50までは持っていけよお前


これアレだろ、前世で上手く行ってたし、今生でも貴族で順風満帆だったから努力してないだろ


……いや、スキルから見るに一応努力はしてるか

ただ努力はしてるけど人並みの努力過ぎるなぁ

もっと死ぬ気で努力しろよお前


俺たちには成長の補正と赤ん坊時代から動けるという大きなアドバンテージがあるんだぞ?それでこのステータスとか恥ずかしくねぇのかよ


いや〜雑魚、本当に雑魚

こんなのが天才呼ばわりされてるとかさぁ……


これなら負ける方が難しいわ


「はい、先手は譲りますよ、ほら来てください」

「……ア、先手くれるの?ファイアランス」


それがファイアランスぅ?

舐めてるのかテメェ!!!弱いんだからせめて全力で戦えやボケ!!!


「はい不合格!1から修行しなおせカス!」

「エ……」


瞬間的に千と少しの魔術を同時に展開する

全て弱い魔法だから全身ボロボロ程度で済むだろう


「……ん?」


何か違和感が……


「忍法、空蝉の術……的な?」


……?どういう事だ?

確かに捉えた筈だが……丸太?それに忍法?

そんなスキル無かったぞ?


「魔法……ヤルじゃん……」

「いや〜貴方程では」


あるんですけど今はそんな事どうでも良くてね?


おかしくね?鑑定しきれて無かった?

だがそれならなぜ異世界転生者を隠していない?

わからん、だが決闘を出汁に聞けばいい話だ


「忍法、火炎龍の術……」

「ふーん、なるほどね」


忍法の発動を見れたから分かったわ

あれ詠唱代わりに手で印を描く魔法だわ


魔力の他に器用のステータスが必要になるだけあって結構色んな事できそうだな

さっきの空蝉とかもろに空間魔法だったし


「ファイアボール」


火炎龍とやらはファイアボールで打ち消しておく

そりゃあステータスの差は激しいからな、ファイアボールでも一方的に打ち勝てる


「は?ドユコト?なんでアレ負けるの?」

「弱いからでは?」


そんな事も分からんのか?


「……なかなか強いじゃん、ユートサン、そろそろ切り上げよーぜ」


えっ、いや、え?

前世でDQNだったからかもしれないけどさぁ……

それは無いわ


あのな?ここは異世界で、お前の前世を知ってる奴は居ないし、お前を立ててくれる奴は居ない訳よ


「嫌ですよ……折角決闘なんで勝って色々と巻き上げたいじゃないですか」

「オマエそんな事してただで済むと思ってんの?」


あーあ、もう駄目、DQNって知識とかないの?

なんで負けてる状況から自分の我儘が通ると思ったのか分からん……なんかもう哀れだわ


「はいはい、分かりましたよ、それじゃあ動かないで下さいね」


念動力でDQNを捕まえて魔法でDQNの記憶の殆どを吸い上げる


……なるほど、コイツは転生特典として前世でやってたゲームの自キャラの能力を習得してるらしい


ジョブは忍者Lv75

これのお陰でスキル無しで忍法を使ってた用だ


だが問題はそんなのじゃなくてコイツを転生させた存在である輪廻結社だ


…そう、結社である

このDQNを転生させたのは神とかじゃなくてこの世界に存在する秘密結社なのだ


しかも輪廻結社の目的は転生者による世界征服であり、それに賛同しない転生者は殺される


このアホは力をつけて組織を乗っ取ろうとか考えてたようだが……無理だろそれは


というか力をつけなきゃ不味い状況であのスキル構成なのマジで終わってるだろ


とりあえずDQNの記憶をコピーしてから返す

ただし決闘の所だけ少し弄り転生特典は使わずに俺に勝った事にしている


DQNがアホで助かったわ……もしDQNの記憶を覗かなかったら輪廻結社に消されていたかもしれない


ただ……どうしようか、輪廻結社の首領は強すぎるこのままじゃ勝てる気がしない


やっぱり修行しかない、かなぁ……

よし!決めた!


「さ、ノマルさんそろそろ戻りましょうか」

「はい……」


記憶操作の影響で意識が混濁しているDQNを適当に誘導しながら元いた場所に戻り弟子のミリアの肩を掴む


「えっ……せ、先生どうしたんですか?そんなに深刻そうな顔をして」

「ミリア!俺、これから王都に行ってしばらく滞在するつもりだから、その間の診療所頼んだわ!」


まだ未熟だがまぁ良いだろう

この村での傷や毒になら十分な回復魔法と病気への対処法も教えてある


診療所だけならなんとかなるだろう


「えっ……いや、あんなに色々できませんって!」

「いや治療以外は俺の趣味だからお前は普通に治療してるだけでいいぞ」


「……それならできそうです!」

「よし!よく言った!じゃあ俺は明日王都に行くから!よろしく!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る