Vシネの世界

真真

第1話 Vシネの世界

ずいぶん会っていない知人からメッセージがきた。


「Netflix観たよ! 『日本統一』出てんじゃん!」


撮影したのは9年前である。


当時、僕は"新しいキャラクターを演じたい!"という思いが強く、Vシネでは珍しいインテリヤクザをイメージして役作りをしていた。


Vシネ特有のオラオラ感とさようなら。


新進気鋭。


新しいVシネ俳優。


Vシネ界の菅田将暉。


そんな意気込みで現場入りした僕は、怯むことなく、冷静沈着なインテリヤクザを演じた。


が、最初のシーン。


お披露目1発目。


インテリヤクザを決め込んだ僕に監督からカットがかかった。


「カットー! 久保さん、そのキャラじゃなくて・・・」


的外れだった。


「とにかくオラついて! いつもの感じで! おねしゃーす!」


大事に作り上げたインテリヤクザとさようなら。


悔しさや怒りも相まって、僕はいつも以上にオラついて演じてしまった。


「はい、オッケー!!!」


オッケーだった……。


Vシネ。それは時代に決して振り回されない任侠の世界である。


ドンパチにご興味ある方は是非。

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Vシネの世界 真真 @shinshin_k

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