ライバルは私

 異世界に転生した私にはふたつの人格がある。ひとつは私。もうひとつは、この世界に元々いた『私』だ。ただし、この世界の『私』は常に眠っている。

 つまり、ここでの『私』は記憶喪失扱いだ。


「君がずっと好きだ。記憶がなくても、俺の気持ちは変わらないよ」


 両想い? 違う。

 あなたを好きなのは私なの。

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