深夜の夜明け

 きっと、もう二度と出会えない。


「どれ飲みますか?」


 知らない顔、知らない声。私が今までいた世界にはいない人だった。


「じゃあ……」


 私が控えめに答えると、その人はまた知らない表情を見せた。こんなに眩しい笑顔を私は見たことがない。

 きっと私はこの人から、自分だけだった世界の夜明けを見る。

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