延長戦は上京後だ
報われないのが誰なのか、途中から俺は分かっていた。だから一方的に約束した。
「追ってこい。野郎が好きなら」
俺は彼女の気持ちを利用するしかなかった。
「向こうで俺も待ってる」
俺の負けはまだ決まっていない。そういう訳で、彼女の相談役はこれきりだ。
野郎みたいに勝負を投げ出すものか。
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