嘘っぱちの風の町

 僕の町が消えていく。

 港が機械に埋もれていく。


 風景に溶け込まない白い巨塔は、僕の町の景観をゆっくりと着実に壊していく。

 機械の羽に人間の欲望を乗せ、あれで何が生み出されるのだろうか。


 ふと山の風が僕の肌を刺した。僕は導かれるように振り返ったが、白い巨塔は止まったままだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る