嘘っぱちの風の町

 僕の町が消えていく。

 港が機械に埋もれていく。


 風景に溶け込まない白い巨塔は、僕の町の景観をゆっくりと着実に壊していく。

 機械の羽に人間の欲望を乗せ、あれで何が生み出されるのだろうか。


 ふと山の風が僕の肌を刺した。僕は導かれるように振り返ったが、白い巨塔は止まったままだった。

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