アイドル・イン・ザ・スクール!!〜学校一のモテ男を惚れさせろ!〜
絵子
プロローグ
私はあの日、地上に舞い降りた天使を見た。
辺り一面、人、人、人。360度首を回しても見渡しきれない、この広い会場が、すべて人で埋まっている。私はそれを、幼いながらにすごいことなのだと理解している。
さっきまでざわざわしていた客席は、静寂に包まれていた。いよいよ始まる。
どしんと心臓に響くような音が流れた。暗闇を色とりどりの照明が交差する。赤、青、黄色、緑。曲とともに激しく点滅するまばゆい光。鼓動が早くなる。突如、真っ暗になる舞台。私は呼吸をするのを忘れた。
瞬間、ステージが真っ白に輝いた。一人の少女が舞台に現れる。きらきらと眩しい光を放つ。照明ではない、その人自身から発せられる光。透き通った、けれども力強い歌声がホールに響きわたる。誰もが少女に釘付けになり、片時も目を逸らすことができない。
美しい。こんなにも美しい存在を見たことがない。
「私もアイドルになりたい」
私は興奮して、横にいる父に話しかけた。私の手を握った父は、心なしか少し困った顔をしたように見えた。
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