それは人生の相棒

細かな描写が際立っていた。
万年筆についての情報が丁寧に綴られていて、作者の豊かな知識が情景へと姿を変えて小説に説得力を産んでいる。

小さな万年筆を主体に書くことによって、夏目漱石にも類似した新たな視点で物事を眺めているような、新鮮な感覚と独特な世界観を広げ、読者に鮮明な強い印象を与えてくれる。
およそ10分の衝撃だった。
50作品あまりの短編たちの中でも別格の輝きを放っていた。