幼馴染は大変ですか?
あすペン
第1話
よくある放課後。
部活のあるものは、部活に勤しみ。
帰宅部は、帰り道学友とコンビニやファミレスなんかでたむろする放課後。
僕はしばらく疎遠だった、幼馴染の
「私あんま、クドイの好きじゃないから一言でいうから。好きです、私と付き合って」
「え?」
放課後、体育倉庫付近僕は人生初告白を受けた。
長手夕は優秀だった。
クラスでは学級委員長を務め、クラスをまとめている。
運動ができないとこを除けば、何でもできると言っても過言ではない。
黒縁のメガネに覗く、少し鋭い目つき。
右側に纏めた三つ編み髪は学校側が、望む生徒像だろう。
成績ももちろん学年トップ。
まるで、話の中の優秀な生徒みたい。
実はそんな長手夕は僕の幼馴染でもあった。
なぜ、長手が僕に言い寄っているかそれは偶然学校外で彼女に会ったのが原因だろう。
とある休日。
僕は漫画を買いに、駅前に来ていた。
発売日当日は、学校で特典が無くなっていないか気が気じゃなかった。
だが、それは杞憂だった。
僕は、本屋を肩書にしているアニメショップで、お目当ての『魔法少女トリナ』の店舗限定クリアスタンド付きの漫画を手にウキウキで帰路につく。
漫画は背負ったリュックに入れに歩く。
もう、時間はお昼時を終えたぐらいで駅に行くためには絶対通らなきゃいけないJKがいっぱいいる流行りの食べ物屋の近くを通る。
周りは、皆スマホを片手に体に悪そうな色をした食べ物を写真に納めてはスマホを見る。
その中の女性の前で僕は足を止めていた。
派手な金髪に、黒い瞳の女性。
化粧は薄くしていて、本来の美しさを映えさせる。
女性は、タピオカを買うとすぐに飲み始める。
写真を撮らなかったから、気になったのではない。
ただ、その女性が似ていたのだ。
僕の知っている女性に。
昔からよく見ている女性に。
「な、長手?」
つい、口からこぼれていた。
その、女性は聞こえていたのか目を見開きこちらを見た。
正面から見て、疑惑は確信に変わった。
「な、ななな」
その女性は、口をパクパクさせ何も言わない。
yesともnoとも。
まあ、たとえそれが長手だとして何も思わない。
長手も、たまの休日ぐらい羽根を伸ばしたくなるだろう。
いくら、優等生とはいえ女の子だということを再確認できた。
僕はその場を離れたが、長手はそのまま、口をパクパクさせるのだった。
「見たわよね」
長手は、僕の肩に手を置き顔を近づける。
「え?土曜日のこと?」
「そうだ」
長手は少し涙目になって。
「誰にも言わないでほしんだ。代償ならいくらでも払おう」
どうやら長手の中で大事になっているらし。
「そんなのいいよ。それに誰にも言うつもりないよ」
「むっ、それでもだ。信用ならん。いいから付き合え」
どんどん話の論点がズレて言ってる気がする。
「まあ、信じてよ。幼馴染の言われたくないことなんて言いふらさないから」
「幼馴染」
長手は、ムッとした顔をする。
中学くらいから、長手は幼馴染という単語が気に入らないみたいだ。
「ぼ、僕帰るから。じゃあ」
「あ、待て」
機嫌が悪くなる前に退散する。
機嫌が悪くなると、手がつけられない。
昔もゲームで負けたりしたら、すぐ機嫌にでてた。
その時はお菓子などで気を逸らすのがいい。
まあ、そんなことここしばらくないんだが。
これは、疎遠だった幼馴染と新たな関係を見つける物語。
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