第23話ステルス=ゴリ押し

俺は人攫いどもの後をコッソリと追いかけて続けて、今はそこら辺の茂みに隠れている。

え?追いかけた時間?リアルに30分くらいかな。

長くね?って思ったが、アイツらたまーに振り返って、こっちを凝視してくるんだよ。しかも全員で。見るタイミングもピッタリで。

俺動きを止める。少し経つ。アイツら動き出す。俺動く。アイツら止まる。こっちを見る。(最初に戻る)

の繰り返しでしたね。

ただ、唯一の救いがアイツら匍匐すると途端に見失うタイプのNPCだったって所だ。

アレだ。だるまさんがころんだやってる感じ。ただし動いたらボッコボコのボコにされる。

まぁ、そんなわけでかなり時間がかかったが、ヤツらのアジトを突き止めることができた。

それは、林の中の窪地くぼちにあった。

見た目を一言で言うなら、地下シェルター。

そこが、人攫いどものアジトらしい。

人攫いどもがシェルターの入り口に吸い込まれる様に入ってく様子をこの目で見たから間違いない。

さて、後は2人を助けるだけなんだが…まぁ、入り口に見張りがいて当然だよね。

しかもきっちり2人いるし。

さて、ここまでバレずに来たからには、完全ステルスを目指したい所だが、どうしようねぇ。

少し考えるか。


ヨシ!(現場ネコ)これでいこう。

作戦名『ステルスゲーでよく見るヤツ』

1 見張りの後ろの方に弾をぶん投げる。

2 音を確認しに行かなかった方をボコす。

3 もう片方もボコす。

4 ビクトリー!!

完璧だ。現代の牟田口とは俺のことだ。

早速やってみよう。

「ホイッ」

俺は、弾を1発だけ見張りの後ろの方の林に投げた。

「お?」

片方の見張りが声を上げた。

「どうした?」

もう片方も相棒に声をかけた。

「いや、なんかよぉ、後ろの方から音がしたんだよな」

「確認しに行くか?」

よしよし、コレは勝ったわ。風呂入ってくる。

「いや、けどよぉ」

「けどなんだ?」

最初に声を上げた方の見張りがこっちを指さしてきた。

「音がする前になんか、あっちから飛んできた気がすんだよなぁ…」

ヤツは孔明の生まれ変わりに違いない。この現代の牟田口の策を見破るだと。

…いいや、まだだ!まだ、1人ずつそれぞれの場所を確認しに行けば勝機はあ…

「2人で確認しに行こうぜ」

ファッ!?アイツも孔明だ!?

いや、違うんすよ。こんなん筈じゃなかったんすよ。もっとこうさぁ、華麗にさ?こう、バッとやって、サッと敵を倒す様をお見せしたかったんですよ。

そんな俺の思いとは裏腹に、スタスタとこちらに歩いてくる見張り達。

「確か、ここら辺から飛んできたような」

「どれどゲァッ!!」

俺は、飛び出すと同時にバールの尖っているところを見張りの左目に突き立てた。

そして、グリッっとバールを捻りつつ更に深く突き刺していく。

見張りは一瞬ビクッとした後にポリゴンの欠片になった。

「テ、テメェ!!」

突然飛び出してきた俺にもう1人の見張りが驚きながらも腰に差した斧を取り出そうとしていた。

「先に…殴れば勝ち!!」

俺は、バールを持っていた方の手とは逆の手で綺麗なアッパーを見張りの顎目掛けて繰り出した。

「オゴッ」

そのまま見張りの頭を掴んで、地面に叩きつける。

そして、親の仇かと言うほどに顔面を踏みつけ、

「オラッ!このっ!牟田口の仇!!」

と叫びながらトドメの…

「エクスカリバール!!」

ゴンッ!!と鈍い音が響く。

もう1人の見張りもポリゴンの欠片になったのを確認して、俺はバールを腰に差して、ドサっと腰を下ろした。

「俺ってこう肝心な所で決まんないよなぁ〜」

愚痴を言いつつも、ヤツらのアジトから人が出てこないことを確認する。

よしよし、作戦成功。

ふふふ、この現代の牟田口、策は2つ用意してあったのだよ!

その名も『ゴリ押し』

1 もう駄目ダァとなります。

2 覚悟が充填されます。

3 バンザイー\( ˆoˆ )/。

4 なんとかなれー。

5 終わり。

ヨシッ!(現場ネコ)休憩終わり!

心の中の現場ネコを出しつつ、俺は立ち上がった。

「さっさと2人を助けて、街に行くとしますか」

俺はそんなことを呟きながら、アジトの入り口へと向かっていった。

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