第2話 おっさんゲームを始める

伊藤が指定した時間になるまで、身の回りの事を片付けて、待っていたがあるものが目に止まった。

「これは、ゲームの説明書か?」

世界観を理解する為に時間を掛けて、読んでいくと次のような事がわかった。

1 このゲームのタイトルはĒlysion onlineエリュシオンオンラインであること。

2 このゲームは、様々な種族から選ぶ事ができるという事。また、各種族には上位種族があり、たとえば森人エルフなら上森人ハイエルフなどがありこれらの上位種族になる為には資格を有してをいなくてはならない。資格を持つ為の条件は難しい。また、突然変異イレギュラーといわれる特殊進化もあるようだが、多くは謎であるということ。

3 武器は様々なものがあり、他のプレイヤー達とは違う戦い方が出来るということ。

4 レベルアップによって上がる能力値には種族ごとに差があるという事、また、レベルアップ時にもらえるSPステータスポイントを使って自分の好きな様にキャラを作る事ができるという事。

じっくりと読んでるうちに時間は過ぎていき、伊藤が指定した時間まで30分を切った。

流石に遅刻するのは、色々とまずいと思い、そそくさと頭にヘッドギア型ゲーム機を着ける、

ベッドに寝転がり目を閉じ、ゲームを開始…と念じる。

気がつくと俺は、真っ暗な空間にいた。

ここは何処だ?そう思い辺りを見回してみてここがどこだか理解した。

何故ならプレイヤーの種族と名前を決めるウィンドウが出ていたからだ。

つまりここは、ゲームを始める為にするキャラクター作成の場所であるという事が分かった。

「あんまりキャラ作るの得意じゃないんだよなぁ…」

まるで俺が呟いたセリフに反応したかの様に新しいウィンドウが俺の目の前に現れた。

「おぉ」

突然のことに少々驚きながらもウィンドウに目を通す。

そこにはこの様な事が記されていた。

【キャラクターをランダムで制作しますか?】

これは有難い。

そう思いながらキャラクター作成の欄にランダム生成を選択し、名前を決める。

俺の名前は鈴村犬助だから、鈴と助からとって

ベルスケと入力する。

そして、ゲームスタートのボタンを押した。

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