イメージで魔導変身、異世界転移でイメージ武具を作成しよう

UD

第1話 日常の<聖魔伝3>

「やっと倒したあ!! こいつホントに強かったな、コウジ」

「ヒコ、前に出すぎだよ。あれじゃあサポートしきれないよ」

「ごめん、つい熱くなっちゃってさ」


「よし、じゃあきりもいいし今日はこのくらいでセーブして終わるか。そろそろ戻らないと母さんにまた叱られるわ」


「ん。ヒコ、明日学校おわりでいいのか?」

「ああ。終業式だし、一回帰って宿題持って来るわ」


「ん、わかった。母さんに伝えとく」

「サンキュー。コウジんちのごはん、ほんと美味しいからなあ。うちの母ちゃんどうしてごはん作れないんだろうなあ?」

「まあ仕事もして家事もしてって大変なんだよ、きっと」


「なんだよ、うちの母ちゃんかばうなよ」

「なんだそりゃ」


「あれ? そう言えば今日はヨーコが入ってこなかったな。どうしちゃったんだろう?」


「用があって今日は入れないから回復役は無理って言ってたろ」


「そっかそっか。それでコウジが忙しかったのか」

「そう言ってるだろ、ヒコ、無茶しすぎ」

「あははは。ごめんて」


 オレたちは学校が終わると毎日こうやってゲームをしてる。

 家が近所で親同士が仲が良くて、小さいころからずっと一緒だ。


 今やってるのは<聖魔伝3:伝説の王の物語>だ。1も2もコウジと一緒にクリアした。このゲームはいわゆるアクションRPGで多人数プレイに対応、オレが前衛でコウジが後衛、ヨーコが回復役。いつの間にかそんな役割が当たり前になっている。もちろん、厳しい戦いの時はお互いのことを思って助け合う。


 聖魔伝3は主人公が生まれた森の中からスタートし、徐々に強い武器や防具を手に入れながら世界を広げていき、それに伴って敵も強くなっていく。


 途中、聖か魔を選ぶんだけどこれが毎回、本当に悩まされるんだ。

 2の時は三人で五日も話し合ったんだ。

 たぶん今回もそうとう悩まされるんだろうなあ。


 そしてなによりもすごいのは、この聖魔伝3の武器や防具の作成方法なんだ。


 どんな素材をどう使って組み合わせるかがすごく難しい。

 オレはよくわかんないからコウジとヨーコにほぼ任せてる。

 ヨーコは回復系のアイテム作成はほとんどマスターしてんじゃないかな、すごい。

 コウジも武器・防具全般組み合わせを考えられる。


 ま、オレは武器ならなんとかなるんだけど、よく二人にぶっ壊れ武器作成者って言われてる。


 しかたないじゃないか。弱い武器より強い武器の方がいいに決まってるもの。

 たとえそれがリスクのある武器でも、敵を倒せなきゃ意味ないじゃん。

 って言うんだけど、なんでだか二人とも笑ってるだけだ。

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