第二章 一手

修正する為に

第9話 戻って来た日常とメイド喫茶

クラス全員がそれぞれ一人反省文100枚というメチャクチャに極端に異例な展開の後の事であるが。

その1週間後、俺達はクラスに何時も通りに登校して来る感じで居た。

俺は毎日徹夜になってしまったが反省文100枚を何とか書いた。

停学という処分が無かっただけ良かったのかもな、と思う。


重たい鞄を持って歩く俺。

通学路はそれなりに灼熱になっている。

全く暑いもんだな、と思う。


そして登校してから夏風が吹く外を窓から見る。

夏休みは近いのだが.....その。

その前に小テストがあったりする。

油断は出来ない。

取り敢えずはそれをクリアしないといけない。


ああ因みにだが幼馴染の常盤と後輩の間男の野郎に関してだが。

今回の件の事が全部きっかけになりそのまま芋蔓式に色々バレてそのまま退学処分となった。

俺達の告発の件が周りに甚大な結果を与えたらしい。

まあザマァとしか言い様が無い。


そして警察の件だが.....一応、相談はした。

幼馴染もそうだが後輩も薬をヤっている可能性がある、と。

この事は受理されるみたいだが何処まで期待のいく展開にしてくれるか、だな。


一宮もそうだがお灸添えられた常盤もそれなりに反省してほしい感じだ。

何というか結局最後まで反省も無くそそくさと引っ越して行きやがったしな。

俺は何というか、やれやれ、と思うしかなかった。

そういう感じになるとは知っていても。


俺にもそうだが七瀬にもあれだけ外道な真似をした癖にな。

本当に2人共にこんな輩で情けないと思う。

これで何処行っても懲りてもらえれば良いけど、とは思うし多少なりとも変わればと思う.....が。


変わらないだろうなぁ。

するとトイレから戻った智和が外を見てから==な目をする。

俺は?を浮かべた。

そしてこんな事を話してくる。


「暑いなぁ。長谷さんやぁ.....」


「.....それはそうだろ。もう直ぐ8月だぞお前さんや」


「.....そうだな.....ああ。因みにだが佐藤から聞いたか?」


「.....?.....どういうのだ?」


「革命の件、楽しかったぞ、だそうだぞ」


「.....そりゃそうだろうな。まあでもこういう事をするのは2度とゴメンだわ。あんな革命は初めてだがやりたく無いわこの先」


100枚の反省文以外に学校の職員達総出で俺に1時間の説教だったしな。

みんなも説教くらったしな。

でもまあ俺の事を思って動いてくれた佐藤とかには感謝しないと。


それから周りのみんなも、だ。

他のクラスメイトがこのクラスに興味な視線を向ける様になったしな。

うん.....それは良かったのか良く無いのか分からんが。

まあ取り敢えず嫌われんで良かった。


「この学校って何というか7月に文化祭もあるしな。嫌だよなぁ」


「.....あーそうだな。面倒臭いな.....」


「まあ楽しもうぜ」


「.....だな」


そんな会話をしていると、先輩、と声がした。

背後を見ると.....そこに七瀬が。

俺は、おー、どした?、とそのまま後ろに倒れながら声を掛ける。

そして団扇の様に下敷きを動かしながら入って来る姿を見た。

すると七瀬は赤くなる。


「.....今日放課後.....その、空いてますか?」


「.....え?今日の放課後は.....智和と一緒に遊び.....」


そこまで言うといきなり智和は、あ!用事を思い出した!、と佐藤に何故か駆け寄って行ってしまう。

じゃあな!仁よ!ハッハッハ!放課後も忙しいからすまんな!、と言いながら。

いやちょっと待てアイツ何なんだ。


思いながら七瀬を見る。

七瀬は目をパチクリしていた。

その七瀬に向きながら後頭部を掻く。

まあその、と言いながら。


「.....という感じでまあ暇になったな」


「.....そ、そうですか?.....その。.....もし良かったらで、デートがしたいんですが」


「え?それは.....つまりアニメグッズのか?」


「違います。それはお休みの日の楽しみです。.....その.....今日ですがこの町のボートに乗りに行きませんか、という話です」


「.....つまり白鳥ボートか?」


「そうです。でも手漕ぎでも良いです。.....是非放課後に暇があれば乗ってみたいです。先輩と」


うーん。しかし何故俺なんかと乗る。

考えるが答えが出ない。

ので浮かんだ最初の言葉を答える。

まあ良いぞ、と言いながら。

でもなこれってカップルみたいじゃね?、と思うが。


「お前.....何というか最近俺を連れ出すのが多いな?どうしたんだ.....?」


「.....べ、別に先輩を連れ出したい訳じゃ無いです。でも先輩の運動不足解消に、って思いましたから!」


「.....いやそれは言い訳にしてはその、かなり無理があるんじゃないか.....?」


「私はそうは思いませんよ。だって手漕ぎってカロリー消費しますし。実際」


「.....そうなの?それ本当に?よく分からんが.....」


まあでもそんなに乗って欲しいなら乗るけど。

思いながら見ていると教室中が反応する。

何?デートすんのかお前ら、と見てから.....その。

そして男子達がニヤッとし始める。


俺は、揶揄うな。シャーラップ、とツッコミを入れる。

だが女子は黙らない。

あ。私。良いデート場所知っているよ、と女子が切り出してくる。

俺は、おいおい、と思ったが。

こんな事を話してくれた。


「お米の最中で作られた小豆パフェが食べれるお店!」


「それ良いな。.....どうする?七瀬」


「じゃ、じゃあ採用で。もし行けなかったら翌日で」


「行ってらっしゃいね。2人とも」


「.....お前は母親かな?吉田さんや」


よく分からんが母親の様な感じの丸メガネの女子。

俺はその吉田に返事をしながら時計を見る。

次の授業の時間が迫っている。

俺は七瀬に向く。


今日先生来るの、はえぇから、と説得すると。

七瀬は、あ。それじゃまた後で来ます、と笑顔になって手を振って去って行った。

何分、次来るの担任だしな。

早めに教室に来る奴だし。


「.....しかし良い嫁さんだな」


「何を言ってんだ。嫁じゃない。そして逃げるなお前」


「.....いやはや。逃げない以外に何があるかなぁ?」


「.....いやいや。あるだろ策は」


「無い無い」


この野郎。

思いながらも担任が来たのでそれ以上は言わない事にした。

考えながら見る。

すると担任から文化祭の説明があった。



「文化祭、何するかなお前ら?」


担任の横で智和がそう話す。

文化祭委員になった智和。

そしてその横に副委員が立つ。

さっきの女子だ。

吉田であるが。


「そりゃまあ喫茶店だな。メイド喫茶一択」


「うお。お前はそれしか無いのか?キモい」


「じゃあお前は何するんだよクソが」


「あ?殺すぞハゲ?ぶっ殺す」


何でそれで言い争ってんだよ。

思いながらジト目でクラスメイトを見る。

しかしまあ.....本当に仲良くなったよなあの一件で。

非リアも仲良くなって、まぁ、と思うが。

革命的だよな。


「落ち着けお前ら.....。ならその。メイド喫茶は採択な?」


「それからお化け屋敷」


「.....んなら俺はソープランド」


「誰だ今言ったやつはぶち殺すぞ?」


智和がジト目になる。

そのツッコミはありかもな。

女子が居るんだぞ。


何でソープランド知ってんだ。

っていうか俺も何故知ってんだ、って感じだが。

俺は思いながら少しだけクスクスと笑う。


それから黒板にチョークで色々と記載される。

そしてそこにはメイド喫茶やらが書かれる。

占いハウスとかも書かれた。


「よし。お前ら。案件はこれだけか」


「あ!じゃあ劇とかする?」


「良いね!ロミオとジュリエットとか!?」


女子達はキャイキャイ言いながらそう話す。

俺はその姿を見つつ溜息を吐きながら俯いた。

ヤバいクソッタレ眠いんだが、と思う。


すると智和は、寝るなよ。オイ、とツッコミを入れて俺に近付いて来た。

何だコイツはきしょいな。

近付くなよ。


「分かった分かった。何だよお前」


「いや。何だよじゃねぇよ。寝るなっての」


「.....俺はメイド喫茶に1票な。んじゃ寝るわ。寝不足で怠いんだ」


「いやちょっと待て寝るんじゃねーよ」


頭をバァンと智和にそのままハリセンで叩かれる。

どっから持って来たんだそれは、と思うんだが。

そして目が覚めて顔を上げる。

よく見ればメイド喫茶に結構票が入っている。

うむ.....。


「じゃあまあこんな感じだから無難にメイド喫茶な。そして総監督は.....まあ仁で。アイツはラノベ好きだし寝不足らしいので」


「お?確かにな」


「それは良いな。ちょうど長谷は寝ているし。生意気だしな」


「だな」


「は!!!!?お前らふざけんな!」


じーっと見てくるクラスメイト。

オイ。誰が総監督だよふざけんな。

俺は、死んでもお断りだぞ、と言うが。


40票あるうちのうちの25票の意見が罷り通り。

そして俺が総監督になった。

待て待て何で俺が。


俺ってそんな総現場監督の様な才能無いよ?ただのキモオタクだよ?勘弁してくれよぉ、と思いながら俺は目を潤ませるが、却下、と言われた。

智和の阿呆め。

畜生。信じていたのに。

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