僕が立つ今日について

死にきれない過去に捧ぐ

去り行かない出来損ないの過去に捧ぐ

その旅路を無駄と詰るこそすれ

僕はやっぱり君のことが嫌いだよ

過去の亡霊は今夜も闇に潜む


出会いと別れを繰り返し昨日の席は空席

恨めしそうに睨むその目は黒く歪み

やり切れないその言葉も飲み込む

夕焼けに鳴く猫は今日も気だるく


不完全な人生を送ったもんで

今日も過去の失敗をなぞって自己嫌悪

諦めた誰かへの共感と

出来る前から廃墟の空想都市


どうせ届かないこの手だと

伸ばすことすら諦めたその手で今日の言を紡ぎ

忘れられたこの土地にせめて供養

何もかも変わった世界でこの言葉だけは変わらず


薄ら近寄る希死念慮と消去願望

どうにかまだ掴み取ろうと藻掻く肢体

この言葉に明日はあるのか

いや明日があったから今日があったのだ


残弾無ければ作れば良い

手にしたい言葉も景色ももうないけれど

今はただ嘯くだけ

「今に見てろ」はまだ終わらない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る